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薔薇十字の覚醒[詳細]


魔術とカバラと錬金術


F・ベーコン、デカルト、ニュートン、ライプニッツ、キルヒャー、ケプラー、
彼らも薔薇十字団員だった!?



■目次より

第1章 王家の婚礼 王女エリザベスとファルツ選帝侯の結婚
婚礼に秘められた意味/テムズ川とライン川の合流/祝宴の終わりとファルツ統治のはじまり/17世紀文化の光輝

第2章 ボヘミアの悲劇 ファルツ選帝侯フリードリヒ五世の凋落
悲劇への伏線/ボヘミア王位継承/ファルツ選帝侯の誤算/30年戦争の端緒を開く/ルネサンスと啓蒙主義の間の空白

第3章 薔薇十字運動の潮流 ジョン・ディーからボヘミアの悲劇へ
アンドレーエと『化学の結婚』/「福音軍事同盟」にはじまる/歴史の鍵を握るアンハルト侯/ジョン・ディーの影響/薔薇十字とボヘミアの悲劇…

第4章 ふたつの薔薇十字宣言 『名声』と『告白』
ルーマニアの俗物知識人グロスの主著で、韻文五幕の悲劇。スーダンの大反乱を舞台に、鏡像に復讐される支配者エル・マハディが描かれる。

第5章 第三の薔薇十字文書 『C・ローゼンクロイツの化学の結婚』
寓意画に描かれたハイデルベルク城/ローゼンクロイツが巡る幻想の七日間/『化学の結婚』が象徴するもの

第6章 薔薇十字哲学の代弁者たち ロバート・フラッドとミハエル・マイヤー
 薔薇十字プロパガンダを進めた出版業者/フラッドとマイヤーの著作/ヘルメス的ルネサンス再興/マイヤーに流れるディーとブルーノの伝統…

第7章 ドイツの薔薇十字運動 その隆盛と終焉
薔薇十字宣言への熱い反応/目に見えない薔薇十字学院/友愛団の支持者たち/宗教的立場を超えた結社/薔薇十字運動終焉の秘密

第8章 フランスを襲った薔薇十字恐慌 流言と論争
薔薇十字友愛団に対する魔女狩り煽動/ヘルメス的伝統の中での位置づけ/メルセンヌ = フラッド論争/デカルトと薔薇十字友愛団/デカルトの後半生にまつわる謎

第9章 イギリスでの薔薇十字展開 フランシス・ベーコンとその著作
ベーコンの「学問と霊知の友愛団」構想/薔薇十字運動とベーコン哲学の符丁/ジェームズ一世治世下の思想活動/薔薇十字寓話『ニューアトランティス』…

第10章 イタリアの自由主義者と薔薇十字宣言 パオロ・サルピからトマソ・カンパネラへ
イギリス = ヴェネチア外交事情/『名声』に併録されたボッカリーニ文献/ブルーノ = ボッカリーニ = カンパネラ/閉じられた普遍的改革の扉

第11章 アンドレーエの薔薇十字解釈 キリスト教協会の結成とユートピア都市構想
演劇的表題としての薔薇十字友愛団/アンドレーエの創造したユートピア都市/「キリスト教協会」の実態/薔薇十字の夢の継承…

第12章 コメニウスとボヘミア薔薇十字騒動 『世界の迷宮』に描かれた顛末
ハイデルベルク時代のコメニウス/ファルツ侯に対するコメニウスの印象/薔薇十字への失望と幻滅/福音主義的敬虔さの中への逃避/天使からの「万有知」を得て…

第13章 目に見えない学院から英国学士院へ 薔薇十字運動の新たな展開
フリードリヒ五世の死と王妃のその後/王妃エリザベスが継承したもの/イギリスに広まる新たな改革の予感/魔術 = 科学的伝統の分離/英国学士院創立の隠された背景…

第14章 薔薇十字的錬金術へのアプローチ アシュモールとニュートン
17世紀イギリスの錬金術復興運動/アシュモールのジョン・ディー弁護/錬金術に関心をよせたニュートン/大英博物館の薔薇十字写本

第15章 薔薇十字主義とフリーメーソン 秘教的ルネサンスの遺産
薔薇十字友愛団は実在したか?/もうひとつの秘密結社の存在/建築史とフリーメーソン神話/エリザベス朝の秘教的影響/ルネサンスと科学革命を結ぶ運動

第16章 薔薇十字啓蒙運動 歴史から消えた一時代
歴史的枠組としての薔薇十字/薔薇十字の魔術的要素/科学の進歩を導いた宗教的立場/薔薇十字友愛団とイエズス会の共通項/薔薇十字の覚醒にむけて

付録 薔薇十字宣言『友愛団の名声』
         『友愛団の告白』
   薔薇十字運動参考系図
   薔薇十字運動参考年表




■著者紹介:フランセス・イエイツ Frances A. Yates  1899-1981

1899年、イギリスのポーツマスに生まれる。ロンドン大学で学び、1944年からは同大学付属ワールブルク研究所の一員として、イタリア、フランス、イギリスのルネサンスならびにジョルダーノ・ブルーノ研究に従事。ルネサンスの新プラトン主義に底流するヘルメス = カバラ的伝統に注目し、図像学的方法を駆使して、「魔術とカバラと錬金術」を視座としたルネサンス精神史の新しい展望を拓く。1967年以降、ワールブルク研究所名誉研究員、英国学士院会員。
邦訳書に『世界劇場』『魔術的ルネサンス』『シェイクスピア最後の夢』(以上晶文社)、『記憶術』(水声社)、『Astrea 星の処女神エリザベス女王』『星の処女神とガリアのヘラクレス』(以上東海大学出版会)、『ヴァロア・タピスリーの謎』(平凡社)がある。


■関連図書

キルヒャーの世界図鑑 よみがえる普遍の夢  2900円
ライプニッツの普遍計画 バロックの天才の生涯  5340円
英仏普遍言語計画 デカルト、ライプニッツにはじまる  4800円
バロックの神秘 タイナッハの教示画の世界像  8000円
綺想の帝国 ルドルフ2世をめぐる美術と科学  3800円
表象の芸術工学 見世物・マニエリスム・驚異の部屋 高山宏  2800円


■書評

◎森毅氏(『朝日新聞』1986年9月15日)
「薔薇十字の亡霊が17世紀ヨーロッパをさまよていたことは、たしかなことだ。イエイツによれば、それはエリザベス朝のジョン・ディーから、プラハのルドルフ朝に流れ、薔薇十字国家ファルツに結実し、30年戦争に圧殺された後は伝説として残った。表面的には魔術にたいして警戒的だったベーコンやデカルトにも、薔薇十字の反映が見られるし、英国学士院の誕生にまで、ハーグに亡命したボヘミア女王宮廷の投影を見逃さない」



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