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ガイアの時代[詳細]





■目次より

序文 ルイス・トマス

 0  はじめに  
    コームミルの水車場から/ガイア仮説の代弁者として/ヒポクラテスの誓い

第1章 序章
    月への招待状/X博士の火星生物探査器/不毛の火星とガイア仮説/
    既成科学とも人間主義ともなじまない理論/地球を散策する


第2章 ガイアとは何か?

    生命の不完全な定義/進化するガイア/「全生命カタログ」を超えて/
    シュレーディンガーの比喩/無知の不在とエントロピー/散逸構造論の美徳/
    S・J・グールドの謎めいたことば/R・ドーキンズたちの「ガイア」批判/
    デイジーワールド・モデル/生命の四条件/地球のジグソーパズル

第3章 デイジーワールド探訪
    理論生態学の限界/複雑さは不利か?/地球生理学と生態学/
    外的撹乱への対応/デイジーワールド曲線を読む/設定値のない閉鎖ループ/
    システム全体を扱う/抹殺への本能的な怒り


第4章 始生代
    ガイア幼年期への旅/メディアとしての生物/もうひとつのビッグ・バン/
    地殻岩石情報/死んでいる惑星/ガイア誕生前夜の大気/エネルギー源と生命の器/
    光合成生物とメタン生成生物/二酸化炭素の消費/海洋の維持/地球のか弱い眉/
    オゾン神話の崩壊/雨をつくる瀬物/元素のコントロール/
    メタン時代から酸素時代へ/始生代のコミュニケーションネットワーク


第5章 中世
    思春期のガイア/始生代から原生代への激変/ホメオスタシスとカルシウムの毒性/
    塩分対策/原生代の巨大遺跡/もし生命が存在しなかったら/微生物の土木労働者/
    酸素の生産/大気の進化モデル/稼働する生物原子炉/青空


第6章 近世
    消費者と生産者の時代/酸素をめぐる戦略/ふたたび上昇した酸素レベル/
    火事の地球生理学/二酸化炭素と太陽/氷河期の酸素/ある農芸生物学者の干渉/
    わがフロン探査航海/イオウを運ぶ物質/グレン・ショウのアイデア/
    海藻による気候調整システム/安定期の終焉

第7章 ガイアと現代環境
    ヒューマニストの矛盾/ガイアを診断する/二酸化炭素による発熱/酸による消化不良/
    オゾン病:皮膚科学のジレンマ/放射能被爆/真の病/名医求む!


第8章 第二の故郷
    月面歩行のニュース/火星緑化の物語/武器商人ブラスボトム氏の名案/
    火星について知っていること/火星最悪の事態/原子炉プラント構想/
    はたして計画は成功するか/火星生態系を予想する/恒常性維持のための根気と愛情


第9章 神とガイア

    わたし自身のこと/いまここにあるガイア/方法としてのガイア/都市生活の地獄/
    ヒューマニズムの罪/漆黒のタールの上に散らばった宝石/病的なものへの関心/
    未来のアトランティス/本当の〈母〉

   エピローグ
    クジャクとコンクリート/お茶の思い出/盗まれた田園/ブレイクのヴィジョン/
    ケアリー川に橋をかける/わが蝋燭は両端から燃える……






■著者紹介:ジェームズ・ラヴロック James E. Lovelock

1919年生まれ。1941年マンチェスター大学を化学者として卒業。ロンドン大学で生物物理学の博士号を取得。衛生学・熱帯医学においても博士となる。ハーバード大学医学部研究員、ベイラー大学医学部・化学教授等をへて現在にいたるまでフリー。NASAの宇宙計画のコンサルタントとして、火星の生命探査計画に参画したことが「ガイア仮説」誕生の契機となる。『地球生命圏』(1979)では「仮説」として提示した考察を本書(1988)では「ガイア理論」として発展させる。
1974年よりロイヤルソサエティ会員。また英国レディング大学のサイバネティックス学部客員教授および海洋生物学協会会長、オックスフォード大学グリーン・カレッジ客員教授などを歴任。ガス・クロマトグラフィーの専門家で、彼の発明した電子捕獲検出器は、環境分析に革命をもたらした。1997年、ブループラネット賞(旭硝子財団)受賞。




■関連図書

地球生命圏 ガイアの科学 J・ラヴロック 2400円
自己組織化する宇宙 自然・生命・社会の創発的パラダイム E・ヤンツ 3200円
生命潮流 来たるべきものの予感 L・ワトソン 2200円
生命のニューサイエンス 形態形成場と行動の進化 R・シェルドレイク 2200円
世界を変える七つの実験 身近にひそむ大きな謎 R・シェルドレイク 2200円
あなたの帰りがわかる犬 人間とペットを結ぶ不思議な力 R・シェルドレイク 2600円
イルカの夢時間  異種間コミュニケーションへの招待 J・ノルマン 1900円
鳥たちの舞うとき 市民科学者の最後のメッセージ 高木仁三郎 1600円
蜃気楼文明 ナスカ、ピラミッド、ストーンヘンジの謎を解く H・トリブッチ 2900円
蜃気楼の楽園 古代文明と神々の謎を解く H・トリブッチ 3800円


関連WEB

◎いよいよラヴロック博士登場の「地球交響曲第四番」2003年上映予定
https://www.gaiasymphony.com/network.html

◎hotwiredに掲載された星川淳氏による著者インタビュー(2000年末)
https://www.hotwired.co.jp/ecowire/interview/010123/textonly.html

◎旭硝子財団によるブループラネット賞受賞者(ラヴロック博士)プロフィール
https://www.af-info.or.jp/jpn/honor/hot/jnrlov.html



関連図書

『日本経済新聞』(2000年3月12日)
琉球列島の一つ、宮古島を北に向かうと、唐突に風車の林立する岬が現れる。風力発電装置だ。地球への負荷を少なくするエネルギーへの試みは、今やいろいろな場所で様々に取り組まれている。こんな動きの大きな源流になったのが、著者が提唱した「ガイア仮説」だ。地球は一つの生命とみなしてよく、生命にふさわしい場所であり続けるように自己調節しているのではないか。この仮説の理論化を、生物学、大気分析、海洋学など諸科学のデータを総合しながら本書で試みた。いま地球環境が気になる人の胸にまず浮かぶイメージは、ここに描かれた一つの生命体としての地球である。発表当時は異端視された本書の思想も、九〇年代以降、追い風を受けている。それだけ地球の痛みが進んでしまったからなのだろうか。(濫)


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