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ケプラーの憂鬱[詳細]
掛け値なしにすばらしい。実に稀なる小説だ。……ウォルター・アレン「アイリッシュ・プレス」

交響曲的レベルの語りの芸術。……「ガーディアン」

驚嘆すべき作家の登場。……ジャニス・エリオット「サンデイ・テレグラフ」

バンヴィルはケプラーのそれぞれの発見に崇高さと詩趣をみなぎらせることに成功している
……ポール・テイラー「タイムズ・リテラリー・サプリメント」

感受性に富み、信念を貫き、時には悲嘆し、時には意気に燃える天文学者。
すばらしく人間味に溢れた人物造形だ。……バーナード・レヴィン「サンデイ・タイムズ」

なりふり かまわず宇宙の調和の秘密を追い求めたひとつの精神の肖像画。
人間、時代、そしてあくなき知識への探求を壮麗に描き出している。
……スティーヴン・ヴォーン「オブザーバー」


■目次より

氈@宇宙の神秘
 新天文学
。 屈折光学
「 世界の調和
」 夢

巻末資料 [関連肖像画・ケプラーの宇宙模型図・ケプラー年譜]




■著者紹介:ジョン・バンヴィル John Banville 1945-

アイルランドのウェクスフォードに生まれる。地元の中等学校を卒業後、職業を転々とし、69年から全国紙『アイリッシュ・プレス』の編集補助に携わる。70年にジョイスの『ダブリン市民』を意識した短編集 Long Lankin で作家としてデビュー。読者を煙にまく仕掛けに溢れたスリラー・タッチの長編小説 Nightspawn (71)や、実在しない妹を探してサーカス団に身を投じる男を描いた一種の反歴史小説 Birchwood (73) を発表。Doctor Copernics (76, 邦訳『コペルニクス博士』白水社) 以降は一転して、「知性の代ゲームを遂行するために世間や人間としての幸福を放擲した高貴な冷たい英雄」としての自然科学者たちを主人公に設定。本書kepler (81) 、The Newton Letter (82)、Mefisto (86)など、史実をふまえながらも、科学的真理が幻想やフィクションから生まれることを描きだして伝統的な伝記小説を脱構築している。これら「科学物」四部作によってバンヴィルの声価は一段と高まり、特に本書はガーディアン小説賞を受章。
The Book of Evidenca (89) はブッカー賞の最終候補にも残る。
The Seaにて、2005年ブッカー賞受賞。




■関連情報

◎バンヴィル氏、2005年ブッカー賞受賞
ジョン・バンヴィル(バンビル)氏が、幼少時代の記憶についてつづった小説「ザ・シー」で、英文学界最高の名誉とされるブッカー賞を受賞した。 1969年に創設された同賞は英国、アイルランドと英連邦加盟国の作家の作品の中で、その年もっとも優れた小説に与えられる。(2005.10.10発表)

◎2003年12月19日〜23日新国立劇場小劇場で再演予定の『ケプラー あこがれの星海航路』 (篠原久美子作・1999年文化庁舞台芸術創作奨励賞佳作受賞)についての情報はこちら>>>




■関連書籍

タオ自然学 現代物理学の先端から東洋の世紀がはじまる F・カプラ 2200円
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ニュートンと魔術師たち 科学史の虚像と実像 P・チュイリエ 1900円
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地球外生命論争1750-1900 カントからロウエルまでのETをめぐる思想大全 M・クロウ 20000円

■書評

『京都新聞』(1991年12月23日)
「……夢想に導かれるようにしてあらわになる惑星公転の三法則。夢から書き起こされ夢で閉じられる円環的構造のうちに、『宇宙の神秘』から『夢』に至るケプラーの主著のタイトルを掲げた五つの章が、時間を交錯させつつ緊密に仕組まれてゆく。
 宗教紛争や魔女裁判といった時代の波にほんろうされる人間ケプラーの苦悩を写しとめる筆力もさることながら、注意して読むと、著者の尋常ではない「形式」への執着ぶりに何より驚かされる。「初めに形ありき」。そう、そこにはいうまでもなく形=数学的調和によって宇宙の神秘を解き明かそうとした、ケプラー自身の精神が濃厚に透けて見えるのだ。
 語られる形式が、語られる内容と目配せを交わし合う奇妙な世界。本書が通常の小説を超えてざん新であるゆえんは、ケプラーの幾何学的精神を小説の構造それ自体に反映させた、スリリングな語り騙(かた)りと歴史のせめぎ合いにある。
 本書は本邦初登場のアイルランド作家。知的刺激に満ちたその作風によって、現代英国ポストモダン作家の一翼を担う実力派である。本書を機に、他作品の紹介が望まれる掛け値なしの逸材であろう」



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