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ヴァンパイアと屍体
Vampires, Burial, and Death[詳細]

目次著者紹介関連図書関連情報書評



吸血鬼の実像に迫る!

「映画・小説でおなじみの『吸血鬼ドラキュラ』。
その下敷きになったのが、東欧のスラヴ地方を中心に、
ギリシア、北ドイツ、ロシアなどに広く伝わる
“吸血鬼(ヴァンピール)伝説”だ。
しかしそこで描かれる吸血鬼像は、
「赤ら顔で、肉付きがよく、無精髭を生やし、
経帷子を着た、みすぼらしい農夫」だった。

民俗学者の著者は、民間伝承の吸血鬼を詳細に検討。
そこに、現代法医学が明かす「死体の腐敗課程の科学」の成果を加えて、
吸血鬼の意外な実像に迫る。

吸血鬼とは、異常な死に方をして
特殊な腐敗現象を起こした死体のことだったのだ!




■目次

はしがき
序論
第1章 ペーター・プロゴヨヴィツ
第2章 シュレージェンの靴屋
第3章 検査報告
第4章 ド・トゥルンフォールのヴリュコラカス
第5章 亡霊はどのようにして生まれるか
第6章 吸血鬼の外観
第7章 厄除け1
第8章 厄除け2
第9章 探索と殺害
第10章 吸血鬼の行動
第11章 いくつかの吸血鬼論
第12章 死後の体
第13章 行為と反応
第14章 地面から現れる手
第15章 水底の墓にくだる
第16章 吸血鬼の殺害
第17章 遺体処理とその問題
第18章 死後の魂
第19章 体と魂を離しておく
結論



■著者紹介:ポール・バーバー Paul Barber(1941 – )

1968年、イェール大学でドイツ語およびドイツ文学の博士号取得。プリンストン大学やオクシデナル・カレッジなどでドイツ語および文学・神話・民俗学の講師を経て、カリフォルニア大学のファウラー文化史博物館研究員。

訳者:野村 美紀子
1940年、東京生まれ。主な訳書——エリアーデ『ダヤン・百合の花陰に』、ラッセル『魔術の歴史』(ともに筑摩書房)、ユング『変容の象徴』(ちくま学芸文庫)、ライト『三人の「科学者」と「神」』(どうぶつ社)、クルッシ『五つの感覚 イタロ・カルヴィーノ追想』、フラハティ『シャーマニズムと想像力 ディドロ、モーツァルト、ゲーテへの衝撃』(ともに工作舎)など。




■関連図書(表示価格は税別)

  • 狼憑きと魔女  17世紀フランスの悪魔学論争 J・ド・ニノー 3200円
  • セイレムの魔術  17世紀ニューイングランドの魔女裁判 C・ハンセン 3800円
  • 犬人怪物の神話  西欧、インド、中国のドッグマン伝承 D・G・ホワイト 4800円
  • ルネサンスのエロスと魔術  想像界の光芒 I・P・クリアーノ 4800円
  • 眠りの魔術師メスマー  近代精神医療の先駆者 J・チュイリエ 2900円
  • ルネサンス・バロックのブックガイド
      印刷革命から魔術・錬金術までの知のコスモス ヒロ・ヒライ=監修 2800円
  • キルヒャーの世界図鑑 よみがえる普遍の夢 J・ゴドウィン 2900円



  • ■書評

    『月刊ムー』2022年8月号 星野太朗氏
    ヴァンパイア愛好家にとっては、たまらない一冊
    はっきりいって、正真正銘の名著である。自信を持ってそう断言できるのは、本書が1991年に出版された同題の書籍の新装版であり、評者は今から30年ほど前に、これを夢中で読みふけったことがあるからだ。…

    『FOOL'S MATE』1991年10月 玄一郎氏
    ブラム・ストーカーの小説や映画などで有名なドラキュラは東欧のスラヴ地方の民間伝承が元となっているが、そこで語られる姿はスマートな紳士の姿ではなく“赤ら顔、もしくはどす黒い顔で肉付きが良く無精髭を生やし経帷子を着たみすぼらしい農夫”だった。オカルト・ブームにより民間伝承とフィクションがゴチャ混ぜになった“ヴァンパイア”の姿……、法医学などのアカデミックな視点から見てみれば様々な発見がある




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