画期的進化論『生物への周期律』

細胞を形成する原子は鉱物中に存在する原子と同一のもので、その多くの供給源は鉱物以外ないのだから、生物学的レベルに周期性が存在しているということは驚くまでもない。細胞は、鉄、マグネシウム、亜鉛、コバルトに対する遺伝コードを持ってはいない。それにもかかわらず、こういった元素は、ヘモグロビン中の鉄、クロロフィル中のマグネシウム、遺伝子調節タンパク質中の亜鉛、ビタミンB12中のコバルトのように、細胞中で活性を持つ多くの高分子の不可欠な一部なのである。
そして生物の周期性の一例として、飛行を挙げる。この機能は昆虫に起源を持つが、その他の無脊椎動物群にはあらわれることがなく、化石種の爬虫類に再現し、のちに鳥類で確立されている。それはまた、ある種の魚類に生じ、最終的にはコウモリに突然再現したが、その他の哺乳類の綱にあらわれることはなかった。周期性は、数百万年にもわたる進化の間で多くの種には欠けていた機能が突如出現することを明確に示している。
動物学者たちは、昆虫の翅と鳥類の翼を相同ではないと考えてきた。この二つの構造は無関係と思えるほど異なっている、というのがその理由である。ショウジョウバエとニワトリの胚発生を遺伝学的に分析してみた結果、ハエとニワトリの羽の構造を決定しているのは同じ遺伝子であることが明らかになっている。さらに、この遺伝子を分子的に分析してみると、無脊椎動物でも脊椎動物でも、染色体上では同じ位置にあることが明らかになった。…同じことは無脊椎動物とヒトの眼に関してもいえる。…周期性は、植物と動物で見られる諸形状でもさらに明白で、その形状はもっと前から結晶に存在していたものが拡張されたものであることがわかった。
分岐をともなう成長を比較した、下の図もあわせてご覧いただきたい。またもや賛否両論が巻き起こるだろう。問題作の登場だ。
1)雪の結晶成長 2)アサ Cannnabis sativa の葉の成長 3)ヨーロッパイモリ Triturus taeniatus の肢の成長段階(本書p.195)
