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『デレク・ベイリー』2014年1月発売決定!!


『デレク・ベイリー』チラシ第2弾
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かねてより予約受付中の『デレク・ベイリー:インプロヴィゼーションの物語』の発売が、ついに2014年1月下旬に決定しました!

告知をしながらも発売日が確定せず、ご予約者をはじめ、関心があるみなさまにご心配をおかけしました。発売までもう少しお待ちください。さらに告知強化のためにチラシの第2弾をつくりました。それが上の写真です。前回は2ツ折りでしたが、今回は大量配布用のA4サイズです。
本書の翻訳者、木幡和枝さんが関わっている、今週末11/17のセシル・テイラーと田中泯さんの公演(東京・草月ホール:完売)では、このチラシ配布とともに、改めて予約を募ります。未だの方、ぜひご予約ください。

 

工作舎に直接ご予約の方には特典プレゼント予定。内容は後日発表します。

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本書の正式な案内文が編集者から届きましたので、掲載します。

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フリー・インプロヴィゼーションの可能性を切り拓き、数多くのミュージシャンに影響を与えたギタリスト、デレク・ベイリー。本書はフランク・ザッパ研究で知られる英国気鋭の批評家が、ベイリー本人や共演ミュージシャンたちを長期取材し、その膨大な証言録をコンサート記録やアルバム・レヴューなどとともに再構成。フリー・インプロヴィゼーションが誕生した時代背景、ベイリーがその道を選ぶに至った音楽観と独創的な演奏哲学、ベイリーが組織した即興演奏家集団「カンパニー」の変遷などを浮き彫りにする。60年代以降の英国音楽シーン、さらには日本も含むインターナショナルなシーンに息づく「自由であり続けること」の果敢な物語。

◎ギターについて真剣に考えれば、いずれデレク・ベイリーにたどりつく。そこで知ったことはその人の世界観を粉々にし、知っているつもりだった20世紀の音楽のあらゆる事実について、あらためて考えさせられる。

◎ベイリーは主張している──即興ほど面白いものはないと。電子音楽を聴くにせよ、ロック・グループを眺めるにせよ、交響楽団が名曲を掻き鳴らすのを聴くにせよ、次に何が起こるかを正確に知っていることほどつまらなく、退屈なことはない、と。

◎即興には頑固な生真面目さとか、高邁な厳粛さ、といったイメージがはりついている。なぜそんな誤解が生まれたのだろうか。ゲーテは、「陽気さ」は進歩的な文化の本質的な要素だったと主張した。この姿勢が、フランク・ザッパとデレク・ベイリーの共通点だ。

◎ベイリーの思想は、ヘラクレイトスの思想と合致する──同じ川に二度脚を浸すことはできない。水は変わる、自分も変わる、なにもかも変わる。ファースト・テイクはその一回性ゆえにベストなのだ。

◎真正面から断言しよう。本書は矛盾に満ち、論争的で、未完成の書物だ。そうしようと、あえて意図して書かれた本だ。端的に言えば、即興的で弁証法的な本だ。本書を想像力豊かで思慮深い読者の遊び場にしていただきたいと思っている。
──ベン・ワトソン(本文より)


 

[目次]

序章 自由について
第1章 子ども時代、十代: 1930-1951
第2章 ギタリスト稼業: 1950-1963
第3章 ジョゼフ・ホルブルック・トリオ: 1963-1966
第4章 ソロ演奏と自由の問題: 1966-1977
第5章 カンパニー・ウィーク: 1977-1994
第6章 インプロヴ・インターナショナル
最終章 インプロヴィゼーションについて
付録1 デレク・ベイリー/インタビュー1998年
 デレク・ベイリーの「めかくしジューク・ボックス」完全版 インタビュアー◎ベン・ワトソン
付録2 デレク・ベイリー/インタビュー1978年・1979年
 即興音楽と時間──演奏の自在境におもむく インタビュアー◎木幡和枝
付録3 デレク・ベイリー・ディスコグラフィー 1968-2013
付録4 インカス・ディスコグラフィー


デレク・ベイリー Derek Bailey 1930-2005

1930年1月29日、イギリスのヨークシャー州シェフィールドに生まれる。独学でギターを習得し、50年代から60年代にかけて、ダンス・ホール、劇場、放送局、レコーディング・スタジオなどで、プロの“コマーシャル”ギタリストとして従事。60年代半ば、トニー・オクスリー、ギャヴィン・ブライヤーズらとジョゼフ・ホルブルック・トリオを結成し、フリー・インプロヴィゼーションを中心とした音楽活動を実践する。70年、エヴァン・パーカーらとともにレコード・レーベル「インカス」を設立。以降、ソロをはじめ、自身が組織する即興演奏家集団「カンパニー」とともに、インプロヴィゼーションの可能性を追求。78年以来、数度来日コンサートを行ない、特に81年の田中泯、ミルフォード・グレイヴスらとの共演、「MMD計画」は大きな話題を呼んだ。90年代以降、共演者の幅はさらに広がり、ジョン・ゾーン、パット・メセニー、エレクトロニカ系アーティストともレコーディングを行なった。2005年12月25日、運動ニューロン疾患(MND)のため死去。翌年日本で開かれた追悼コンサートには、田中泯、近藤等則、灰野敬二、大友良英、大熊ワタルほか共演経験のあるアーティストが多数参加した。 著書に『インプロヴィゼーション──即興演奏の彼方へImprovisation: Its Nature and Practice in Music)』(Moorland Publishing, 1980 邦訳工作舎刊/revised edition: Da Capo Press, 1993)がある。


 

[著者紹介]ベン・ワトソン Ben Watson

1956年、ロンドン生まれ。音楽/文化批評家。『ザ・ワイヤー』『ハイ・ファイ・ニューズ』などの音楽専門誌に寄稿。テオドール・アドルノ、フランクフルト学派、状況主義(シチュアシオニスム)の影響下のもと、独自の切り口で批評活動を行なう。フランク・ザッパに関する著作も多く、主な著書に『フランク・ザッパ──プードル・プレイの否定弁証法(Frank Zappa: The Negative Dialectics of Poodle Play)』(Quartet Books, 1995)、『フランク・ザッパ──コンプリート・ガイド・トゥ・ヒズ・ミュージック(Frank Zappa: The Complete Guide to his Music)』(Omnibus Press, 2005)、『アカデミー・ザッパ──第一回国際統合ザッパ学会議の記録(Academy Zappa: Proceedings of the First International Conference of Esemplastic Zappology)』(共編)(SAF Publishing, 2005)などがある。

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