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【近刊予告】

『中世パリの装飾写本』チラシ


『中世パリの装飾写本』チラシ

『中世パリの装飾写本』チラシ
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本webサイトで連載していた「中世パリの装飾写本と読者」を書籍化します。もともと連載は、写本装飾研究者・前川久美子さんによる書き下ろし原稿の抜粋にすぎず、書籍化では大幅に構成を変え、美しい造本を鋭意作成中です。 刊行は夏頃を予定。それに先駆けてチラシを作成しました。

書物について考えをめぐらすとき、コデックス(冊子)形態の起源「写本」を欠かすことはできない。中世写本の花形、13〜15世紀パリの装飾写本の盛衰をたどりながら、美術的意味、社会的背景、読書法の変遷を記す。中世写本美術の入門書であり、読書の歴史を語る書物論でもある。

このチラシに大きくあしらった図は、かの有名なベリー公の『いとも豪華なる時禱書』より《五月》。本書第11章でも、歴史上もっとも美しい本と誉れ高いこの時禱書をたっぷりと解説します。その他、『教訓聖書(ビーブル・モラリゼ)』『ジャンヌ・デヴルーの時禱書』『ブシコー時禱書』など、著名な装飾写本からのカラー図版46点、モノクロ図版も多数収録。


■目次より

図版編
テクスト編
第1章 パリの写本装飾の始まり——『教訓聖書』
第2章 ものがたる写本絵画——『聖ルイの詩編』
第3章 声から文字へ——『梨物語』
第4章 聖書絵本と黙想——『マダム・マリーの祈禱書』
第5章 中世パリの日常生活——イヴ作『聖ドニの生涯と殉教』
第6章 写本装飾の革新:ジャン・ピュッセル
  ——『ジャンヌ・デヴルーの時禱書』
第7章 個人全集の成立——『ギヨーム・ド・マショー作品集』
第8章 政治思想を反映する写本絵画——『フランス大年代記』
第9章 数奇な運命をたどった装飾写本
  ——ベリー公の『聖母のいとも美しき時禱書』
第10章 中世末のエコール・ド・パリ——『ブシコー時禱書』
第11章 写本装飾のピーク:ランブール兄弟
  ——ベリー公の『いとも豪華なる時禱書』
第12章 最後の大傑作——『ロアン大時禱書』



■著者紹介:前川久美子(まえかわ・くみこ)

専門は西洋美術史、とくに中世の装飾写本とルネサンス絵画。東京大学教養学部卒業、パリ第IV大学第三(博士)課程修了。 英文著書『語りと経験 13世紀の絵本における革新』(Narrative and Experience: Innovations in Thirteenth-Century Picture Books, Frankfurt a.M, 2000.)では、『聖ルイの詩編』など、13世紀の写本の中で成立している絵画の〈語り〉について考察。
その他の著書として、『巡礼としての絵画』(工作舎、2009)、『世界美術大全集X ゴシック2』(小学館、1994 共著)、翻訳に、エバーハルト・ケーニヒ『ベリー公のいとも美しき聖母時祷書』(日本語版監修:辻佐保子、岩波書店、1994)、ペーター・シュプリンガー『右手と頭脳』(三元社、2010)などがある。



本書はA5判上製、予価 本体3800円+税、2015年夏刊行予定。

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また、このチラシをご希望の方に無料送付します。裏は工作舎の「ヨーロッパの歴史と美術」関連図書一覧で両面カラー印刷です。オーダーフォームから『中世パリの装飾写本』チラシ希望と明記してお申し込みください。





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