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11/15 毎日新聞 養老孟司氏
『ヘッケルと進化の夢』書評


ヘッケルと進化の夢


2015年11月15日 毎日新聞にて養老孟司氏が佐藤恵子著『ヘッケルと進化の夢―一元論、エコロジー、系統樹』を書評してくださいました。

「人間精神への応用」に大きな影響
…私見だが、ヘッケルの「個体発生は系統発生を繰り返す」は、じつは情報に関する法則である。それは学者や研究者が論文を書くときのやり方に歴然と表れている。ある主題について、先行研究の結果を「要約して繰り返す」。その後に自分の成果を付け加えて「学問が進歩する」のである。こういう意見はほとんど冗談だと思われるだろうが、私はそう思っていない。思えば十九世紀のメンデル、ダーウィン、ヘッケルの法則はいずれも情報に関する経験則である。われわれは情報という言葉をごく日常的に使う。しかしその意味を真剣に考える機会は少ない。情報は意識、つまり脳が扱うものであることを考えれば、ヘッケルの法則と人間精神の発達が関連することは当然なのである。

※全文は「毎日新聞」サイト

11/8 地方紙12紙書評欄に著者インタビュー

11月8日には、南は沖縄タイムスから、北は秋田さきがけまで、共同通信配信で地方紙12紙に掲載いただきました。

動物学者の多彩な全貌/知的遺産掘り起こす
 ドイツの動物学者・哲学者。エルンスト・ヘッケル(1834〜1919年)と聞き、人物像がすぐ浮かぶ人は少数派ではないか。ダーウィンの進化論に基づく独自の「一元論」を唱え、19世紀後半の同国で影響力を誇ったが、その視点が後にナチズムとの関連を指摘され、長く研究に光が当たらずにきた。
 そんなヘッケルの思想や生涯を、東海大学教授の佐藤恵子さんが新著にまとめた。ヘッケルの著作を丹念に読み解き、複雑で多彩な全貌を明らかにする。(中略)
 もはや日常的に使われる「エコロジー」という言葉は、実はヘッケルが創ったという。ヘッケルの知的な遺産は、現代の私たちにも息づく。それを掘り起こすのが、研究の面白さという。「私たちの知識がどのような背景で生まれたのか。一部でも知るのは大事」

※掲載紙:沖縄タイムス、琉球新報、南日本新聞、熊本日日新聞、宮崎日日新聞、四国新聞、徳島新聞、山陰中央新報、山梨日日新聞、下野新聞、北日本新聞、秋田さきがけ





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