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8月の新刊 『桂離宮のブルーノ・タウト』


『桂離宮のブルーノ・タウト』

8月の新刊は、 『桂離宮のブルーノ・タウト——ドイツ・ロマン主義と禅の精神世界』

桂離宮の美しさを世界に伝えた建築家ブルーノ・タウト(1880-1938)。
亡命先の日本に到着した翌日に桂離宮へ案内され、運命的な出会いを果たしました。1年後の5月7日には2回目の拝観をおこない、その2日後の9日午後、日本の筆で一気に描き上げられたのが『画帖桂離宮』です。

著者は長谷川章さん。『田園都市と千年王国─宗教改革からブルーノ・タウトへ』を著し、ドイツ思想にも造詣の深い長谷川さんは、ドイツ語の原文を丹念に読み解き、タウトが桂離宮の御庭や御殿に様々な関係性を見出し、精神的な意味の地平におけるまったく新しい、関係性の芸術の可能性を提唱したことを明かします。

A5判上製、304頁、図版多数、本体3600円+税。8月下旬発売予定。お待ちください。



■目次

まえがき 『画帖桂離宮』とは何か
日本語訳書文献リスト

第1章 桂離宮—『画帖桂離宮』の誕生

 第1節 桂離宮のブルーノ・タウト

第2章  御庭—『画帖桂離宮』の前半の構成と主題

 第2節 表紙
 第3節 思惟するのは視覚である
 第4節 御殿へのアプローチ
 第5節 御庭の松琴亭へ
 第6節 松琴亭から賞花亭へ
 第7節 新御殿の御庭と伊勢
 第8節 御庭から導き出された結論

第3章 御殿—『画帖桂離宮』の後半の構成と主題

 第9節 御殿の意匠
 第10節 空間の軸と動線
 第11節 建築家の三つの条件
 第12節 芸術の精神への変換
 第13節 惜別の辞

『画帖桂離宮』全体構成
あとがき 関係性の美学から中動態の美学へ

索引

■ブルーノ・タウト Bruno Julius Florian Taut, 1880-1938

ドイツ、ケーニヒスベルク生まれの建築家、都市計画家。鉄の記念塔(1913)、ガラスの家(1914)が評価され、表現主義の建築家として知られる。ナチスの迫害から逃れるために、1933年に来日し3年半滞在。仙台や高崎で工芸の指導や、日本に関する文章を書いた。1936年にトルコへ移住し、数多くの建築設計に携わる。 主な著作に『アルプス建築』『建築藝術論』『都市の冠』など、日本関連のものには『画帖桂離宮』をはじめ、『ニッポン』『日本美の再発見』『日本文化私観』『日本 タウトの日記』などがある。



■著者紹介: 長谷川 章 (はせがわ・あきら)

1954年東京生まれ。1979年早稲田大学大学院修士課程修了。1985年DAAD西ドイツ政府所給費留学(アーヘン工科大学)。『北ドイツ表現主義建築の研究』で工学博士(早稲田大学)。東京造形大学教授、早稲田大学非常勤講師。専門はドイツ近代建築史。2019年に『ブルーノ・タウト研究─ロマン主義から表現主義へ』(ブリュッケ、2017)で日本建築学会著作賞受賞。著書に『ドイツ表現主義の建築』(鹿島出版会、1989)『世紀末の都市と身体─芸術と空間あるいはユートピアの彼方へ』(ブリュッケ、2000)、『芸術と民族主義─ドイツ・モダニズムの源流』(ブリュッケ、2008)、『絵画と都市の境界─タブローとしての都市の記憶』(ブリュッケ、2014)、『分離派建築会─日本のモダニズム建築誕生』(共著、京都大学学術出版会、2020)、『田園都市と千年王国─宗教改革からブルーノ・タウトへ』(工作舎、2021)。建築設計に「横浜人形の家」(商業環境デザイン大賞、神奈川県建築コンクール優秀賞受賞、1986)、「渋谷東急百貨店東横店」(北米照明学会特別表彰受




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