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この鉱物が柘榴石と名付けられたのは、見かけが果物の柘榴を思わせるためです。熟した柘榴は、やや紫を帯びた赤褐色で球に近い形をしています。ガーネットは化学組成が幅広く変化するため、実際は、果物の柘榴より遙かに多様な色調を示します。
“ガーネット”は珪酸塩鉱物の中の1グループ名で、一般化学式は A3B2(SiO4)3 で表されます。化学式のAには鉄(2+)、マンガン、マグネシウム、カルシウムなどが入り、Bにはアルミニウム、鉄(3+)、クロムなどが入ります。そのうち、Bが主としてアルミニウムで占められるものに、色が淡く透明感の高い結晶が多く見られます。赤系統の色調は、Aに鉄が入ったアルマンディン(鉄礬柘榴石)、マンガンが入ったスペッサルティン(満礬柘榴石)、マグネシウムが入ったパイロープ(苦礬柘榴石)、そしてカルシウムが入ったグロッシュラー(灰礬柘榴石)に現れます。パイロープは常に赤い色を示すため、ギリシャ語で“火”と“眼”を表す言葉にちなんで命名されました。
アルマンディンは、緑泥片岩、雲母片岩、角閃片岩、片麻岩などの広域変成岩中に含まれて広く産出するほか、花崗岩や流紋岩の副成分鉱物(写真1)としても産出します。パイロープは、特に高温高圧下でできるエクロジャイトという変成岩(写真2)中に緑色のオンファス輝石を伴って産出するほか、ダイヤモンドの母岩であるキンバーライト中に含まれます。グロッシュラーはマグマにより熱変成を受けた泥質石灰岩に多量に産出します。スペッサルティンは、火成岩の副成分の他、熱変成を受けた層状マンガン鉱床に、バラ輝石に伴われて産出します。
いずれも色が美しく透明なものはファセットカット(写真3)され、透明度の悪いものはカボッションにカットされ宝石として利用されます。
ガーネットは硬く、また風化されにくいため、また、珪酸塩鉱物としては比重が大きいため、河川の堆積物に濃集します。奈良県の二上山では、火山岩の副成分として含まれていたアルマンディンが、二上山麓の扇状地堆積物中に二次的に濃集しており、かつて研磨剤として採掘されました。この研磨剤は、二上山の南方にある金剛山地にちなみ金剛砂と呼ばれました。粒径をそろえた金剛砂を貼り付けたものが紙ヤスリ(サンドペーパー)です。
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