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黒雲母(写真1,2)は様々な火成岩や変成岩に含まれて広く産出します。結晶構造中の鉄とマグネシウムの比が大きいほど色が濃くなります。黒雲母は、他の雲母族鉱物と同様に、二次元的に広がる鉄、マグネシウム、アルミニウムの珪酸塩層が、カリウムイオンによって引き締められた結晶構造をもっています。珪酸塩層同士の凝集力が相対的に弱いため、珪酸塩層に平行に薄く剥げます。
雲母仲間の白雲母は、電気絶縁体や耐熱窓材として広く利用されていますが、黒雲母は工業的にはほとんど利用されていません。鉄を多く含む黒雲母には導電性があり、また窓材としては透明度が足りないことがその理由と考えられます。薄く剥げて金色の鱗粉状になることから、内装用建材の装飾コーティング材として使われることがあります。
黒雲母を含む岩石が地表に現れて風雨にさらされると、黒雲母の層間からカリウムが溶け出しヒドロニウムイオン(H3O+)が入り込みます。これを加熱すると、層間の水が水蒸気となって膨張し黒雲母の層間を押し広げます。その様子が、あたかも蛭が這うようであることから蛭石(写真3)という名称があります。新鮮な黒雲母には用途が少ないのですが、風化して分解しかけた黒雲母は、加熱処理によって、多孔質で軽い素材に生まれ変わります。蛭石は、壁に吹き付けることによって部屋の吸音性と断熱性を高めるために利用されています。
黒雲母がより高い温度条件で水和すると、緑泥石に変化し、そのために緑味が増します。 |