工作舎ロゴ 5月新刊『ジョルダーノ・ブルーノとヘルメス教の伝統』


ジョルダーノ・ブルーノとヘルメス教の伝統_拡大

フランセス・イエイツ幻の代表作、
待望の邦訳!

待ち望まれていたフランセス・イエイツの『ジョルダーノ・ブルーノとヘルメス教の伝統』が、ようやく5月下旬に刊行される予定だ。880ページもの大著。丁寧な原註、訳註、訳者解説も付く。ルネサンス哲学者ジョルダーノ・ブルーノの魔術性に着目し、ヘルメティズムを本格的に研究した本書は、その後のイエイツの研究を決定づけたという。訳者の前野佳彦さんの解説から引用する。


フランセス・アミーリア・イエイツ(1899-1981)にとって、1964年に出版された本書は最初の代表作である。当時彼女は定年退官を間近にひかえたロンドン大学の準教授(リーダー)だった。65歳にして初めてルネサンス研究家としての評価が定まったという一点に、彼女の人生とまた研究の来歴のすべてが凝縮した形で顕れている。本書の序言を読めば明らかなように、それまでの彼女の研究のすべてはこのブルーノ研究に集大成され、その後の多産な著作活動のすべてはこのブルーノ研究から流れ出しているからである。

(「解説 ルネサンス的均衡における魔術の内化」より)

ちょうど今年3月にはイエイツ女史の伝記、『フランシス・イェイツとヘルメス的伝統』(マージョリー・G・ジョーンズ著/正岡和恵+二宮隆洋訳/作品社)が刊行された。しかし、かつて平凡社や晶文社など数多く出版された邦訳書のほとんどは品切となり、今では『記憶術』(水声社)と『薔薇十字の覚醒』(工作舎)が流通する程度である。本書の刊行を機に、今一度、魔術的ルネサンス像の興隆を望みたい。





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