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杉浦康平デザインの言葉 第3弾
『文字の霊力(れいりき) ついに9月下旬刊行!


『文字の霊力』帯付き

日本を代表するグラフィックデザイナー杉浦康平さん「デザインの言葉」シリーズ第3弾『文字の霊力』が、ついに9月下旬発売されます。大変長らくお待たせしました。

日本語タイポグラフィに新たな息吹を与えてきた杉浦さんならではのテーマ「文字」。 第1章の松岡正剛さんとの対話「「文字」を巡って------漢字からクレオール文字まで」、 白川静漢字学をもとに「漢字のカタチ」を読み解く2、3、5章。 4章は、原稿用紙の謎(「魚尾」)や山文字の謎(一つではなく三つの山)など気軽なエッセイで構成されます。一部をご紹介します。


「間」の展覧会のポスター

第1章 松岡正剛さんとの対話「文字を巡って」より

松岡:かつてデザインされた東京画廊のパンフレットや「間」の展覧会のポスターや文学者の全集の装幀などの仕事に見られるように、漢字だって扱い方によっては原初のパワーを蘇らせることができると思うんです。
とくに、活字になった漢字は、いったん印圧のなかで線とインクと紙とが混じって、ノイズを伴いますね。それを印字された文字の場ごと引き上げて、デザインのなかにもう一度適用したという、あの杉浦さんの方法は、漢字をその生態圏ごと取り出すものとして、非常にショックだったし、これまでにない新しさだと感じています。

杉浦:あのころは、活字による文字表現について、いろいろなことを考えていました。
…活字はしょせん社会化された文字なのだけれど、この活字がわれわれの眼前に出現する直前の過程、一般の人が見ることができない生産過程での働きを重ね合せて、文字組み表現の語法にしてみたいと思ったんです。

福岡・英彦山神社の護符

第2章「森羅万象のざわめきを映す 漢字のカタチ2」より

「文字であることを超えてしまった不可思議な文字」群の典型的な例は、一群の「護符」や「靈符」である。…書き記された靈符は、簡単に読み解けない文字群である。むしろ、読めそうで読めない文字だ…ということに意味がある。魔を降す力を放射する、境界線上の文字群である。
この六つの眼が睨みつける複合文字の靈符は、九州・福岡の英彦山が配布する、泥棒よけの護符である。


杉浦グラフィズムの集大成、ぜひお楽しみに。




【目次より】

はじめに 文字の生息圏を歩く

【1】
「文字」を巡って------漢字からクレオール文字まで------
  松岡正剛さんとの対話

【2】
人間・線・音のつながり 漢字のカタチ1
森羅万象のざわめきを映す 漢字のカタチ2

【3】
方形の大地に根をのばす 漢字のカタチ3
印す文字、祀る文字、奏でる文字 漢字のカタチ4

【4】
木の音、本の響き
文字の海、魚が吐く 原稿用紙の謎1
マカラが吐く、豊穣の海 原稿用紙の謎2
うねり・波うつ宇宙山 山文字の謎1
産み・増殖する「三つ山」の気 山文字の謎2
「手」文字の象(カタチ)
日・月の輝き
「寿」「福」融合

【5】
寿字爛漫、変幻する文字 漢字のカタチ5
寿字爛漫森羅万象と照応する 漢字のカタチ6
漢字の記憶、身体の記憶とむすびつく 漢字のカタチ7

蝶


杉浦康平_肖像
【著者紹介】

杉浦康平 すぎうら・こうへい

「文字の枝葉には、人間のふるまいの総体が封入されている」と直観、文字と向きあい、とりわけ漢字を逍遥する。その探求の経緯を記したエッセイを本書に再録した。 文字に関する著作として『文字の宇宙』(1985、写研)『文字の祝祭』(1995、同)、『文字の美・文字の力』(2008、誠文堂新光社)、『アジアの本・文字・デザイン』(2005、DNPグラフィックデザインアーカイブ)などがある。

1932年、東京生まれ。東京芸術大学建築学科卒。早くからグラフィック・デザインの世界で注目を浴び、ブックデザインや展覧会企画を手掛けてきた。その半世紀余にわたる作品群が、2011年、寄贈先の武蔵野美術大学美術館・図書館主催『杉浦康平・脈動する本』展で披露された。

現在、神戸芸術工科大学名誉教授、および同大アジアンデザイン研究所所長。アジア各国のデザイナーたちの活発な交流の場である当研究所が開催した第1回国際シンポジウムの記録が『動く山―アジアの山車』(2012、左右社)として出版されている。





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