工作舎ロゴ [今週の1枚]


荻窪「6次元」トークイベント
「タイガー立石とは何者だったのか?」報告

椹木野衣さん(右)とナカムラクニオさん(左)
椹木野衣さん(右)とナカムラクニオさん(左)

『ムーン・トラックス』刊行を記念して、荻窪のブックカフェ「6次元」で開かれた「タイガー立石 ムーン・トラックス展」が無事終了。最終日の1月24日には美術評論家の椹木野衣さんと、6次元のナカムラクニオさんのトークイベント「タイガー立石とは何者だったのか?」が、満席となって大盛況でした。

客席にはタイガー立石さんの奥様、立石富美子さんもいらっしゃり、時おりトークに入って、「イタリアで描いたコマ割り絵画は数点しか持ち帰れず、残したものはイタリアの美術館に収蔵されているものもある」など知られざるエピソードも。 タイガーさんの美術史的な位置づけも語られ、密度の濃い、充実したイベントとなりました。みなさま、どうもありがとうございました。

タイガー立石夫人、立石富美子さん
タイガー立石夫人、立石富美子さん

トークの様子
満席の会場

イベント終了後に、展示や資料を魅入る参加者
イベント終了後も、展示や資料を魅入る参加者の方々


イラストレーション 2015年3月号にナカムラクニオさん書評

元祖「塗り系」の魔術師
タイガー立石の曼荼羅的世界

作品を見てしまった人は、強制的に静謐な絵画世界の主人公になり、時空が歪んだ謎の空間をさまよう。 ……もしかすると日本美術の中に脈々と連なる伊藤若冲、曽我蕭白、歌川国芳など『奇想の系譜』の遺伝子を引き継いでいるのかもしれません。
 さらに、スージー甘金、白根ゆたんぽ、マー関口、本 秀康など、日本のイラストレーションの大きな流れである「塗り系」の原点であるということも、注目すべき。そう言った意味でも、タイガー立石は、偉大すぎる「奇想の巨人」なのです。

*ナカムラさん、イベントともども、ありがとうございました。「イラストレーション」3月号の特集は中村佑介とあって、書店店頭でも目立っています。

1月24日配信「Excite Bit コネタ」でも紹介

プロレスラーみたいな名前の芸術家「タイガー立石」がスゴい
…違和感なく昭和のプロレスラーの名前に見えてしまうタイガー立石。昭和生まれ(1941〜1998年)なのは他の面々と同じだが、彼の職業は芸術家。画家、漫画家、絵本作家、陶芸家として数多くの作品を残し、昨年12月に『ムーン・トラックス(タイガー立石のコマ割り絵画劇場)』(工作舎)という作品集も刊行と、没後の現在も評価が高まり続けている人物だ。…
そして発売になったばかりの『ムーン・トラックス』は、それらの絵本でも垣間見えた、彼の摩訶不思議で幻想的な世界観が、“コマ割り絵画"として描かれた作品集。…
コマ割り絵画作品では、「絵画」「漫画」というジャンルの壁を打ち破りながら、現実と幻想、二次元と三次元と四次元が入り乱れることで、不思議な驚きや可笑しみが生まれている。それでいて、けっして“難しい"わけではない。現代美術の方面でも評価される人物だが、その作品は誰が見ても楽しめるエンターテイメントなのだ。そう考えると、名前がプロレスラーみたいなのも何だか納得がいくような気が……。
全文は「Excite Bit コネタ」


*その他、美術手帖2月号、POPEYE 1/10発売号でも紹介記事が掲載されています。




ALL RIGHTS RESERVED. © 工作舎 kousakusha