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雑誌「墨」に臼田捷治さん、
『文字の霊力(れいりき)書評

『文字の霊力』帯付き


雑誌「墨」2015年」3・4月号に、デザイン・ジャーナリストの臼田 捷治さんが『文字の霊力』と「杉浦康平デザインの言葉」シリーズ、同時期に刊行された『地図のシワ、空間のヒダ』(鹿島出版会)を書評してくださいました。カラー2ページにわたる大きな記事です。

杉浦康平氏の新著『文字の靈力』ほかの集成に寄せて
人類共通の振る舞いから捉える漢字への
斬新なまなざし

…漢字は天円地方説にのっとり、四角が基本形だが、+印(「卒」「辻」など)と×印(「文」「凶」など)を巧みに使い分けており、後者の×印は世界の各民族に共通する封印の象形。「木」字の左右の払いは、表には現れはしないものの、根の大切さへの認識が表出されており、「生命樹」のような図像を介して、豊饒信仰や母性原理の表象として世界の民族に共有されている。私たちが文字を書くときに経験するように、文字はやや「右上がり」になる。アルファベット圏も同様で、そこには生身の人間に身体運動の偏り(右利きの場合)が反映されている……。
 世界の図像群がそなえるコンテクストや人の身振りに精通した杉浦氏らしい、枚挙に暇のない卓見の開示。漢字とはこんなにも奥の深いものであったのかと目眩を覚えるほどだ。(中略)
…そしてシリーズ全冊に共通する、熱い語り口と響きあう造本のみごとさにも触れておきたい。全編から妙なる音色がたちのぼってくるかのような美麗さ。惜し気もなくあしらわれている豊富な関連図版も興趣をさらに深めてくれる。…


雑誌「墨」『文字の霊力』書評
雑誌「墨」(芸術新聞社)より

臼田さん、どうもありがとうございました。



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