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橋爪大三郎氏、日経新聞コラムで『星投げびと』紹介


星投げびと


2017年7月11日付 日本経済新聞夕刊「あすへの話題」で、社会学者の橋爪大三郎氏が『星を投げる人(邦題:星投げびと)』を紹介してくださいました。

「「星を投げる人」の話をしよう。
 この話を最初に聞いたのは、アメリカのある教会の説教でのこと。もう何年も前である。牧師はこんなふうに話した。
 《朝、いつものように海岸を散歩していると、ひとりの少年が何やら、海に向かって投げている。「何してるんだい?」「ヒトデを投げているのさ」。見ると、見渡す限り無数のヒトデが打ち上げられている。やがて死んでしまうだろう。「こんなにたくさんいるのに、何の足しにもなないよ」。少年は、ヒトデをもうひとつ拾いあげた。「でもこのヒトデには、大きな違いだと思うよ」…》(全文は日本経済新聞サイトへ)

教会の説教で耳に残ったこの話の大元が、ローレン・アイズリーの『星を投げる人(邦題:星投げびと)』だと種明かしされます。

「何の足しにもならないのか」、「大きな違いがあるのか」。ささやかな「違い」のために悪戦苦闘している多くの人々に訴えかけた橋爪氏の文章の巧みさゆえに、静かな反響があります。橋爪先生、どうもありがとうございます。

ローレン・アイズリーは、ソロー、エマソンの系譜をつぐナチュラリスト、アメリカを代表するエッセイスト、詩人として知られます。傑作エッセイを厳選してまとめたのが本書『星投げびと』で、表題作のほか「惑星を一変させた花」、「最後のネアンデルタール人」、「自然へのソローのまなざし」、「ウォールデン ソローの未完の仕事」などが収録されています。
なお、この「星投げびと」ではヒトデを投げたのは少年ではなく老人で、主人公が一歩踏み出す前には15頁以上にわたる葛藤があり、深い読後感が得られます。ぜひ味わってお読みください。






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