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11月の新刊『熨斗袋』見本


『熨斗袋』

11月3本目の新刊、『熨斗袋(のしぶくろ)——選ぶ 書く 伝わる』の見本ができ、もうまもなく発売になります。書道家であり、日本文化を伝える「日本雅藝倶楽部」を主宰する川邊りえこさんが書き下ろした、ビジュアル多数のハイセンスな実用書です。

日本文化への意識が高まりながらも、しきたりは簡素化し、消え去ろうとしています。書のお稽古で、熨斗袋の表書きの手本にある文字がどのような状況で使われるものか、わからないと質問されることが多くなったことから、川邊さんが本書を記すことになったそうです。日本が培ってきた伝統の価値を再認識するためにも、人間関係を大切にする心のあらわし方の象徴でもある熨斗袋について見直す、絶好の書。

「選ぶ」「知る」「書く」「深める」の4部で構成され、「選ぶ」では用途に応じた熨斗袋の選び方や、日常で使う心付けやお年玉などの金封やポチ袋のバリエーションを紹介。「知る」では水引や袱紗(ふくさ)の歴史、「書く」では手書き文字の大切さ、表書きのさまざま、「深める」は3人の識者によるエッセイから成ります。

A5判並製、76ページ(オールカラー)、本体1800円+税。11月28日発売。目次はこちら
造本も工夫を凝らし、袱紗に見立てた本表紙の赤が、カバーの和紙からうすく透けて見えます。


カバーを外した本表紙
カバーを外した本表紙。この赤がカバーの和紙から透ける

『熨斗袋』よりポチ袋
ポチ袋のバリエーション

『熨斗袋』より熨斗袋の慣習地図
熨斗袋(金封)の慣習地図



■目次

はじめに

・選ぶ

「結び切り」と「蝶結び」の意味
不祝儀
かけ紙にこころをかける
手渡し方
心づけから
熨斗袋の慣習地図

・知る

水引
和紙
熨斗
袱紗
風呂敷

・書く

熨斗袋に名前を書く
上手に見える四つのポイント
結婚祝
御祝 御祝儀
弔事
子どもの祝い
御礼
稽古事
年中行事
記念行事
数字の基本
住所、宛て名、連名
日常いろいろ
贈り物に添える言葉
その他の例
表書き一覧表

・深める

贈答の日本文化  石上七鞘(歴史学者、民俗学者、松蔭大学教授、文学博士)
贈答にこめられるこころ  小笠原敬承齋(小笠原流礼法宗家)
折形にこめられたもの  山口信博(アート・ディレクター、折形デザイン研究所主宰)

おわりに
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■著者紹介: 川邊りえこ(かわべ・りえこ)

日本雅藝倶楽部、にっぽんや工房主宰。書道家、美術家。日本文化を伝える啓蒙活動として1995年より会員制の「日本雅藝倶楽部」を東京と京都で主宰。また1990年より手掛けている日本の職人によるものづくり、日本の素材を提案する「にっぽんや工房」を運営。2004年には、書を中心とした日本の文化を世界の子供たちに伝える「雅藝日本文化交流基金」を立ち上げ、国際交流活動や子供ワークショップを展開している。自身のアート活動では、日本古来の伝統や美意識、神官としての幅広い知見をベースに、「KOTOTAMA」を展開している。2018年には、社団法人雅藝日本文化協会を設立。独自の方法で「日本の美とこころ」の深層を探求し、その多層性と魅力を、広く世界へと伝えるための活動をスタートさせた。著書に『雅藝草子』『ことたまのかたち』(いずれも工作舎)がある。





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