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古賀弘幸さん、ユリイカ2020年2月号
「特集*書体の世界」へ寄稿



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『文字と書の消息』の古賀弘幸さんが、「ユリイカ2020年2月号 特集*書体の世界―書・活字・フォント」へ論考を寄稿されました。タイトルは「書体論のためのランダムノート―規範と自由、彫琢と装飾」。書体とは/漢字書体の歴史/日本の書体/装飾書体/書体の「喚起力」という構成で、読み応えがある論考です。

そのなかで、書体には文化的な「ふさわしさ」があり、「芭蕉を勘亭流とか隷書で組むデザイナーがいたら、ただのバカ」という大御所の言葉を引用した後に、勘亭流で書かれた中国料理屋の屋号を写真付きで紹介。日本で中華料理屋を開こうとした中国人が、日本で広く親しまれている書体で店名を表現しようとして、勘亭流を選んだと考えると「ただのバカ」と言いにくいかもしれないと、茶目っ気たっぷりに補足しています。この中華料理屋とは神保町の「川府」です。

古賀さんの文字と書についての造詣の深さは『文字と書の消息―落書きから漢字までの文化誌』をお読みください。西夏文字やトンパ文字をはじめとした疑似漢字、工事現場で作られたガムテープ書体など、古今東西にわたる文字と書をひもとく文化誌です。

『文字と書の消息』
『文字と書の消息』
 定価 本体3200円+税

なお、ユリイカ2020年2月号「特集*書体の世界」には、『文字と書の消息』刊行イベントで古賀さんと対談された山本貴光さんの「書体は人になにをもたらすか―文体論のためのメモランダム」、工作舎本のデザインも多数手がけてくださっている松田行正さんの「書体・字体事件簿」、工作舎から新刊を準備中の真田幸治さんの「タイポグラファとしての小村雪岱」、アンケートには元工作舎のデザイナー、小沼宏之さんも登場するなど、注目の特集です。

さらに、巻頭インタビューで府川充男さんは尊敬する装幀家に杉浦康平先生をあげ、阿部卓也さんの「「ナール」「ゴナ」あるいは大衆文化の中の文字」でも杉浦先生の名前があがり、書体の歴史を考察するうえで、杉浦先生の存在感を再確認しました。杉浦先生は目下工作舎から新刊『本が湧きだす』を準備中。ご期待ください。


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