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『タオ自然学』4月末増刷(累計32刷)

タオ自然学

フリッチョフ・カプラ著『タオ自然学—現代物理学の先端から「東洋の世紀」がはじまる』の増刷が2020年4月末にできます。
原著 The Tao of Physics は1975年に刊行。1979年に邦訳され、ニューサイエンス・ブームを牽引しました。1985年に増補改訂版に改め、今回の増刷で改訂19刷(累計32刷)となります。工作舎を代表する本といえます。

通常は刊行後40年もすると過去の本となってしまうものですが、本書は違いました。常に工作舎売上ランキングの上位にあるのです。ニューサイエンス・ブーム終焉後も、2008年に成毛眞さんの『本は10冊同時に読め!』(三笠書房)で紹介され、再び勢いが増しました。とはいえその後10余年。動きが落ちないのが不思議です。

タオイズムの陰と陽に、粒子と波動性の相補性を重ね合せ、踊るシヴァ神の姿に素粒子のコズミック・ダンスを見る。理論物理学者カプラによる、東洋と西洋の自然観を結ぶ壮大かつ魅力的な試みは、次の美しい描写からはじまります。

本書を執筆するきっかけとなったのは、五年前のある美しい体験である。夏も終わりに近いある午後、海辺に腰をおろし寄せくる波を見つめながら、わたしは自分の呼吸のリズムを感じていた。と、その時、とりまくすべてが壮大なコズミック・ダンスを舞っていることに気づいた。まわりの砂や岩、海や空気が振動する分子あるいは原子で構成されていること。…

そして、読者へのメッセージもあります。

この本は、東洋の神秘思想に興味をもつ一般読者のためのもので、必ずしも物理学を知っている必要はない。…物理学の哲学的な面に関心はあっても、東洋思想に触れたことのない物理学者にも、この本を読んでもらいたいと思っている。読んでもらえば、東洋の神秘思想が、物理学の最先端にある理論を包含する一貫した美しい哲学的枠組をもっていることがわかっていただけると思う。

確実に言えるのは、『タオ自然学』が今なお読者に支持され続けているということだけです。





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