工作舎ロゴ [今週の1枚]


note新連載 : わたしの仕事と工作舎の本

note連載:わたしの仕事と工作舎の本

工作舎の本ってどんな人に読まれているんだろう。どんな役に立っているんだろう。 そこで、さまざまな分野の表現者や研究者の方に
「わたしの仕事と工作舎の本」について書いていただく連載がはじまりました。


noteロゴ note連載:わたしの仕事と工作舎の本

第1回は、ロシア宇宙主義の研究者 福井祐生さんが読む『ロシアの博物学者たち』
研究対象であるフョードロフとロシア宇宙主義について、
そして西欧とは異なる視座をもつロシア思想を研究する上で
参考文献の一つとなったダニエル・P・トーデス著
『ロシアの博物学者たち』について 書いていただきました。

note連載:わたしの仕事と工作舎の本#01 福井祐生さん

『ロシアの博物学者たち─ダーウィン進化論と相互扶助論』は工作舎から1992年に刊行されました。原著 Darwin Without Malthus の刊行は1989年。この年、東欧の社会主義国で民主化が次々と起こり、ベルリンの壁が崩壊しました。1991年にソビエト連邦は解体します。世界秩序が音をたてて崩壊していく歴史の変わり目に刊行された本です。
そして2022年現在、ロシア軍によるウクライナ侵攻によって、世界秩序の新たな崩壊がはじまりました。ロシアを研究対象にしている福井さんのメッセージが最後に綴られます。

…ヴェルナツキーは第二次大戦中に次のような精神的遺言を記しました。
 「地質学的な進化過程は、ホモ・サピエンスやその地質学的な祖先であるシナントロプスなど、全てのヒトが生物学的に一つでありかつ平等であることに対応している」。
 彼は地質学的なアルキメデスの点に立ち、相互に争い合う人類が本来はみな同胞であることを我々に想起させます。現在のプーチン政権が極めて残虐な行為に及び、泥沼の戦争を続けている今だからこそ、ロシアそしてウクライナに生きた人々がこのように高邁な理念を築き上げてきたことを、両国を含めた世界中の全ての人たちに覚えていてほしいのです。



noteロゴ note連載:わたしの仕事と工作舎の本

ぜひお読みください。




ALL RIGHTS RESERVED. © 工作舎 kousakusha