11月の新刊
『山階芳麿が作った鳥類図鑑』

11月の新刊は、『山階芳麿が作った鳥類図鑑—木口木版画の鳥たち』です。
木口木版が支えた稀有な図鑑の全貌
日本を代表する鳥類図鑑『日本の鳥類と其の生態』(「山階図鑑」)。1934年に1巻、1941年に2巻が刊行され、全5巻が予定されながら未刊に終わったこの大著は、いかにして生み出されたのか。著者・山階芳麿博士の足跡や日本の鳥類図鑑の歴史などをたどり、その成立の背景を探る。さらに、本図鑑最大の特徴である木口木版による精密な挿図に注目し、その制作背景と表現技法を紹介。図鑑史、鳥学史、版画史など、多角的な視点から「山階図鑑」の全貌に迫る。
本書は、2024年に我孫子市鳥の博物館で開催された企画展「山階芳麿博士が作った図鑑」をもとに作成されました。特に、第6章に収録された木口木版画は、本書用に新たに刷られたもの。精緻な版画の美しさをご堪能ください。
A5判ソフトカバー、212頁(うちカラー176頁) 定価 本体3200円+税、11月中旬発売予定。
■目次 |
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第1章 日本の鳥類図鑑(園部浩一郎)
1 日本の鳥類図鑑2 初期の鳥類図鑑
3 三大鳥類図鑑
4 フィールドガイドの登場
5 戦後の代表的な鳥類図鑑
6 絵の図鑑と写真の図鑑
7 さまざまな鳥類図鑑
【コラム】日本の鳥の三大図鑑、その高額な定価
【コラム】戦争で発行が中断した幻の大型鳥類図鑑
【コラム】「清棲図鑑」、鳥類画の秘密
【コラム】『日本鳥類図説』、奥付の“謎”
【年表】日本の鳥類図鑑
第2章 「山階図鑑」を作った山階芳麿の足跡(小林さやか)
1 山階宮家を創設した祖父2 自然科学に関心が高かった父と鳥を飼うのが好きだった
3 芳麿の幼少期
4 軍人をやめて鳥類研究へ——山階鳥類研究所を設立
5 戦後の生活と鳥類保護活動——ヤンバルクイナの発⾒
【年表】山階芳麿 年表
【コラム】南北朝鮮に生き別れた親子をつないだ物語
【山階芳麿の研究を支えた人物 1】折居彪二郎
【山階芳麿の研究を支えた人物 2】小林重三
【山階芳麿の研究を支えた人物 3】下村兼史
【山階芳麿の研究を支えた人物 4】山階壽賀子
【山階芳麿の研究を支えた人物 5】山田信夫
【山階芳麿の研究を支えた人物 6】松山資郎
第3章 日本の鳥学を築いた鳥類学者たち(園部浩一郎)
1 日本の鳥学を築いた鳥類学者たち2 飯島魁
3 松平頼孝
4 内田清之助
5 鷹司信輔
6 黒田長禮
7 籾山徳太郎
8 中西悟堂
9 清棲幸保
10 蜂須賀正氏
11 黒田長久
【コラム】大英自然史博物館が所蔵するカンムリツクシガモの絵
【コラム】中西悟堂の日本鳥学会への恩返し
【コラム】蜂須賀正氏と再発見されたモーリシャスインコの原画
第4章 「山階図鑑」ができるまで(小林さやか・園部浩一郎・鶴見みや古)
1 あこがれから実現へ——「山階図鑑」の構想2 図鑑の内容
3 図鑑の見方
4 図鑑に用いられた「図」
5 図版に掲載された「絵」と「写真」
6 「木口木版画」ができるまで 7 幻の「山階図鑑」——未刊に終わった第3巻から第5巻 8 「山階図鑑」資料群の価値
【コラム】山階図鑑、なんで二つの出版社?
【コラム】図鑑の装丁——「山階図鑑」の表紙デザイン
【コラム】自費出版だった「山階図鑑」
【コラム】版木は誰が作ったのか
第5章 「山階図鑑」と日本の木口木版のながれ(今井圭介)
1 「山階図鑑」と木口木版2 木口木版の材料と用具
3 近代木口木版の開拓者トマス・ビューイック
4 日本への伝来と受容
5 岐路に立った木口木版
6 商業木口木版の最後と金字塔としての「山階図鑑」
【コラム】 写真膜転置法の開発者・成田常吉
【インタビュー】 共通する摺りの感覚––「山階図鑑」と彫刻職人の技術 長島充(版画家)
6章 木口木版画の鳥たち——未刊の第3巻の版木から
参考文献付録 「山階図鑑」に掲載された種、亜種
あとがき

