『脳科学と芸術』教育界の反響

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『脳科学と芸術』表紙

芸術が生きる力の原動力となる

11月に刊行した『脳科学と芸術』は、科学者・アーティストら総勢32名の集成。編著者の小泉英明氏は、脳科学者の立場で中央教育審議会専門委員も務めるため、「まえがき」では、脳科学面でも芸術科目の重要性を指摘する。それに応えて、京都教育大学附属図書館の「京教図書館News No.99 2008年12月号」で、音楽科 准教授の斉藤百合子氏が本書を採り上げてくださった。

音楽科などの芸術教科が、常に存続の危機にさらされているという事実をどのくらいの人が知っているだろう。
…脳科学の知見から芸術教育の必要性を訴えているという、私たちからすると非常に心強い存在なのである。小泉氏は昨今の教育が「知育」ばかり重視されていることを危惧している。脳科学の立場から言えば、外側の新しい皮質にいくら知識や技術を詰め込んでも、やる気や意欲を起こすための原動力、つまり「パッション」がなければ何も始まらないと。その「パッション」は古い皮質にあり、それを育むのが「芸術」であるという。音楽を聴いたり、奏でたり、絵を描いたりすることは古い皮質を活性化し、パッション(意志・情動)を育むのである。すると生きる力や知的欲求が湧いてくるというわけである。

一見学術書のように難しいのでは?と思うかもしれないが、興味深い事例が多いため、あっという間に読み進めることができる。そしてすべてを読み終えたあとは、人間と芸術はとても深いところでつながっているのだということを実感することができるだろう。音楽科や美術科の学生さんはもちろんのこと、芸術教科以外の専攻の学生さんにぜひ読んでほしい一冊である。

『脳科学と芸術』小泉英明編著/執筆=中井久夫、舘野泉、港千尋他




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