『ガラス蜘蛛』仏文学者・松原秀一氏書評

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「小さな宝石箱のような美しい本」

「本書には細やかな心遣いの行き届いた解説(杉本秀太郎)、生命科学者による補言と訳者自身による快い後書きがついている。「虫に弱い」筆者が駄言を弄することも憚られるが、今では、もっぱら『青い鳥』と『ペレアスとメリザンド』でしか想起されないメーテルリンクの心を込めた晩年の著作が、原著にはない挿絵を加えて、小さな宝石箱ような美しい本となって出版されたことに喜びを感じる。」

7月に刊行した『ガラス蜘蛛』は、8月にサンデー毎日で荒俣宏氏、9月には週刊朝日、東京都立動物園のメールマガジン「ズーエクスプレス」と、よい書評に恵まれた。そして上に引用した「ふらんす2008.12月号」での松原秀一氏書評。松原氏はヨーロッパ中世文学を専門としながらも、ファーブルに影響を受け、『ファーブル博物記』(岩波書店)や『ファーブルの写真集 昆虫』(新樹社)を上梓されている。書評では、メーテルリンクはファーブルの理解者だったが、ファーブルが昆虫の行動に知性を認めない点に批判的だったと紹介する。昆虫の知性について判断するには「人間はいまだに若すぎるのだ」というメーテルリンクの指摘も忘れずに。そして次のように結ぶ。

「分子生物学、医学の驚くほどの発展にもかかわらず我々は羽虫一匹すら作りだせない。水中に暮らす蜘蛛を通じて世界の神秘、謎を身近に感じさせる著作は貴重なものである」





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