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アインシュタインの部屋(下)[詳細]




■目次より

 洞察の極限

7 泡の宇宙にわく

  研究所でグルメ。集めたワインは5000本!
  メインディッシュは“新発見”
  星を生む分子雲の不思議を探る
  ピエト・ハットの大予言:死の星「ネメシス」
  マーガレット・ゲラー女史を迎えて
  宇宙はシャボン玉


8 光を掲げて進む
  空っぽの原子たち。物質はなぜ固い?
  マルチ人間フリーマン・ダイソン
  水爆ロケットで土星に行こう! 「オリオン計画」顛末記
  「こりゃあむずかしいぞ」とフランク・ヤンが叫んだ
  だんまり屋ディラックの愉しみ
  アインシュタインも舌鋒の餌食、大自信家パウリ

9 真理とは何か?
  「ビッグバン」は爆発的ミステリー
  『科学革命の構造』ショック
  色眼鏡がなんだ、それでも真理はある
  ニュートリノ捕獲大作戦
  ライプニッツからダイソンまで、科学者たちの哲学観
  懲りない科学者たち

Ⅳ 生命、宇宙、よろずのもの


10 自然自身のソフトウエア
  「複雑さ」が問題だ
  15歳で論文、20歳でキャルテク博士
  「ライフ」ゲームに夢中
  プリンストン・セル・オートマトン工場
  宇宙のソフトウエア
  究極の複雑系


11 見えないものを超えて
  第二のアインシュタイン? 超弦理論の旗手エド・ウィッテン
  物理学者でない人のための簡単な弦理論
  世界はひもでできている
  無限から無限を引く「くりこみ不可能な無限」
  「カイラリティ」て何?
  大統一理論への道


Ⅴ エピローグ

12 おもちゃの国の子どもたち
  マンデルブロを教授に任命しないわけ
  「博士号を出せ」老教授の提言
  研究所の歴史は語られない
  ビアトリス・M・スターンの失敗
  「もっと気狂いじみた連中がほしい」
  大ノイバウアーのいる午後


付記 マンデルブロ集合とセル・オートマトンのためのコンピュータ・プログラム

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■著者紹介:エド・レジス Ed Regis

メリーランド州在住のサイエンスライター。哲学博士。趣味は飛行機、パイロットの個人免許をもつ。1985年、地球外生命についてのアンソロジーを編集してケンブリッジ大学出版局より刊行、アカデミズムの側からSF的なテーマに接近する。1987年、プリンストン高等研究所を舞台に天才たちの人間ドラマを描いた本書が世界的ベストセラーとなり、一躍時の人となる。2作目の『不死テクノロジー』ではクライオニクスから人工生命まで、永遠の命を追求する究極のテクノロジーをドキュメント。3作目の『ナノテクの楽園』では、第2作にも登場するナノテクノロジーの発想者エリック・ドレクスラーが決してマッド・サイエンティストではないことを明らかにしながら、超微小エンジニアリングの醍醐味を余すところなく描き出す。
 邦訳はほかに『ウィルス・ハンター CDCの疫学者たちと謎の伝染病を追う』(早川書房)、『悪魔の生物学 日米英・秘密生物兵器計画の真実』(河出書房新社)がある。




■関連図書

不死テクノロジー 科学がSFを超える日 E・レジス 2500円
ナノテクの楽園 万物創造機械の誕生 E・レジス 2800円
思考の道具箱 情報・数・空間・論理・無限 R・ラッカー 3800円
四次元の冒険 幾何学・宇宙・想像力 R・ラッカー 2806円
プラニバース 二次元生物との遭遇 A・K・デュードニー 2903円
奇天烈紳士録 あっぱれな人生と奇妙な信念 J・ミッチェル 2500円
眠りの魔術師メスマー モーツアルトを癒した男 J・チュイリエ 2900円
エラズマス・ダーウィン 破天荒な発明家・詩人・医者の生涯 D・キング = ヘレ 6500円
大博物学者ビュフォン 18世紀フランスの変貌する自然観 J・ロジェ 6500円
ダーウィン 世界を変えたナチュラリストの決定版伝記 A・デズモンド+J・ムーア 18000円
ロシアの博物学者たち マルサスぬきの進化論の系譜 D・P・トーデス 3800円
地球外生命論争1750-1900 カントからロウエルまでのETをめぐる思想大全 M・クロウ 20000円

■書評

『読売新聞』(1990年10月8日)
「だれが読んでも楽しい。著者が科学を楽しんでいるからである。科学や理論は堅いもの。そう信じ込んでいる人にとくに勧めたい」

岡部昭彦氏(『北海道新聞』1990年11月4日)
「著者は本書で明らかにしたプリンストン高等学術研究所を「プラトニック天国」と呼ぶ。「アインシュタインの部屋」こそはその象徴に他ならない。……
 アインシュタインと並び有名な数学者のゲーデルもここの教授になり、二人は「プリンストン研究所の大看板とされる。ナチから逃れたこの非世俗で孤高、人並みはずれたヒポコンデリー(心気症)の大変人ぶりには、アインシュタインも及ばない。
 人間くさい話はきりがなく、ゴシップもとび出す。ブルバキ(匿名の数学者集団)の一人の数学者ヴェイユ、機械厳禁の天国で今日のコンピューターを開発したフォン・ノイマン、栄光と失意に包まれた所長オッペンハイマーにリー、ヤン、ダイソン、クーンと玉手箱を開ける楽しみでいっぱい。
 アインシュタインはドイツ、ゲーデルはチェコ、ヴェイユはフランス、ノイマンはハンガリー、リーとヤンは中国と、天国は人種のるつぼである。五十年を経て、天国にも元天才のリゾートホテルのきざしがみられるという。アメリカの、そして科学研究の一面をのぞくようだ」
 
瀬戸川猛資氏(『毎日新聞』1997年9月28日)
「プリンストン高等学術研究所に集ったアルバート・アインシュタイン、クルト・ゲーデルら天才にして奇人科学者たちの年代記だが、「科学書がこんなにおもしろくていいのか!」と弾劾したくなるほどにおもしろかった。驚くべきは、物理学や数学の基本がわかった気にさせられたことである。本当は全然わかっていないのだが、基礎の基礎まで遡って説明を加えるので、そんな気にさせられてしまうのだ」



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