十二支妖異譚[詳細]
祟って、化けて、恩返し。
神話、伝説、民話から読本、歌舞伎まで
鼠、牛、虎、兎、竜、蛇、
馬、羊、猿、鳥、犬、猪……
怪談、奇談、因縁話、主役はいつでも「十二類」。
邪気がないから、なお怖ろしい。
怖ろしいから、霊力横溢。
天下泰平、家内安全、病魔退散。
■目次 |
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鼠、指を噛む/大国主命と鼠/呑んだものは何か/空飛ぶ鼠 など
牛へ化する女/霊牛のこと/鬼同丸の待ち伏せ/母牛の怨み など
雪山に消えた息子/荒野で虎に遭う/虎の前世/虎魄(こはく)のこと など
生皮を剥がれた兎/兎の発心/兎は神/波に兎/月と兎 など
梵鐘を愛する龍/登龍のこと/龍王の油断/挨拶に来た龍 など
蛇の執念/笛の音を聴く大蛇/熊と争った大蛇/殺しても殺しても など
幻術使いと馬/物を言う馬/馬上で歌うな/怪死者二名 など
羊の舌を抜いた男/殺した羊の正体/羊乳と地生羊 など
鞠の精の正体/猿になった子ども/猿の剣術/猿の舞 など
頭に生えてきたもの/一本足の鶏/闘鶏の真意/鶏を忌む里 など
天の怪異と犬/六本足の犬/犬に見え、人に見えぬもの/犬の変化 など
源為朝と大猪/青い怪光の正体/霊猪現る/動く墓 など
おわりに
■関連情報 |
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●2021.1.7 MBSラジオ「ありがとう浜村淳です」
午前10時05分ごろから、著者・福井栄一さんがゲスト出演。ウェブでも聴取可能。
●2020.12.17 読売新聞 関西版夕刊
著者、福井栄一さんの記事掲載。「干支(えと)が注目される新年に合わせ、自身や家族の干支が持つ“裏の顔”も楽しんでもらえたら」と。
■書評 |
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●2021.1.8 nippon.comにて、 泉 宣道氏書評
干支の動物をめぐる怖い話
「「鼠の章」から「猪の章」まで12章の本書には、全160話ほどのショートストーリーが収録されている。出典は『古事記』などの歴史書から説話集、軍記物語、仮名草子、地誌、歌舞伎脚本など多岐にわたる日本の古典。これを「上方文化評論家」を自任する著者が小気味よい現代語訳に仕上げているので、とにかく読みやすい。
…160話に共通しているのは詰まるところ、主人公は人間だということだ。十二支獣が主役とはいえ、描写は人間が中心で、何世紀も前の世相や生活の様子もうかがえる。著者が選りすぐった古典話が時代を超えて読者を魅了するのは、そこに人生訓や世の中のはかなさを読み取れるからだろう。」
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