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修羅場は異なもの味なもの [詳細]

目次著者紹介関連図書関連情報書評



講談の魅力・縁の妙、史跡の深奥・世相寸評……

修羅場読みの名人による痛快エッセイ

新劇から男の芸とされてきた講談の世界に飛び込み、
パパン、パンと修羅場読みに精進しつづけて三十余年。
「口跡よし、声の伸びよし、抑揚よし」と馬琴師匠に背中を押され、
女で初の芸術祭賞受賞、
「女流講釈師花の十二人」のひとりとしてCD発売…。
講談をめぐる喜怒哀楽、綺羅星のような方々とのご縁、
史跡探訪、世相寸評など張扇さながらの
リズムにのせた痛快エッセイ集。



■目次

枕 修羅場読みに魅せられて

琴嶺駆歩記 疾風の巻

◎元気を出そうよ女たち◎黒石から能登半島へ◎芸術祭賞受賞式◎桜咲く◎男の花道◎青森の三沢高校講演「想像力と創造力」◎歴史街道・木曽街道◎細川玉女◎ケチャダンスの小宇宙◎歴史の節穴◎黒石中学校同窓会◎出羽の国小国郷境田◎杉の子クラブの縁と源平盛衰記

すばらしきご縁

◎鈴木喜代春先生◎岡本文弥師匠◎村山知義先生◎渥美清さん◎秋田雨雀先生◎木下順二先生・山本安英先生◎マルセ太郎さん◎立川談志師匠 ◎宝井馬琴師匠
幕間 琴嶺さんの父 おかもと ぶんや   

琴嶺駆歩記 怒濤の巻

◎熊野古道・中辺路◎佐倉義民伝◎心に屏風を立てる◎飛騨の大原騒動◎南部三閉伊一揆の地◎小学三年生の群読◎播州坂越町◎身延山久遠寺◎彼岸の幟旗◎天地人◎八幡平の夏◎錦繍の北陸旅行◎龍馬の足跡◎永平寺と加賀の一向一揆跡◎訪中講談右往左往◎冬の天狗党、春の困民党史跡めぐり◎東日本大震災◎『小谷落城』虚実検証の旅◎湯殿山・被災地◎玉造温泉 ◎一枚の写真◎生きる軌跡◎大河の一滴◎終末への踊り場◎闘いすんで夜が明けて◎能登の御陣乗太鼓◎時は泡の如く◎真夏の旅◎群読から修羅場読みへ 

琴嶺十二種

◎一 宇治川先陣争い◎二 那須与一扇の的◎三 佐馬之介湖水乗っ切り◎四 二度目の清書◎五 赤垣源蔵 徳利の別れ◎六 柳田父娘の堪忍袋◎七 佐倉義民伝◎八 朝起き五十両◎九 泥松出世譚◎十 皇居桜田堀◎十一 亀甲大売り出し◎十二 出世馬喰 加藤孫六

あとがき・琴嶺略年譜



■著者紹介:宝井琴嶺(たからい・きんれい)

本名 塚田善子(つかだ・よしこ) 1938年、東京市滝野川区で生まれた後、青森県黒石市へ疎開。高校卒業後、上京して村山知義主宰の東京芸術座などで女優として舞台を踏む。

1979年、六代目宝井馬琴(当時琴鶴)に弟子入りし、修羅場読み修行を重ねるかたわら、翌年より「山本安英の会」朗読グループ参加。木下順二はじめ多士済々の人士に触発されながら舌耕芸を磨き、1990年、真打となる。
1993年、女流講釈師初の文化庁芸術祭賞受賞。

『宇治川先陣争い』『那須与一扇の的』などリズムと口跡が身上の修羅場読みを得意とするが、時代物『赤垣源蔵 徳利の別れ』(『義士伝』)『藤戸の渡し』、世話物『佐倉義民伝』『朝起き五十両』、任侠物『瞼の母』『平手の駆けつけ』(『天保水滸伝』)などから世相を批評したオリジナル講談まで、幅広い演目を語る。




■関連図書(表示価格は税別)

  • 童の心で 小泉英明+市川團十郎 2400円
  • 僕はずっと裸だった 田中 泯 2300円
  • 芸道の形 形の文化会=編 善竹十郎+田口和夫 ほか 2500円
  • 茶室とインテリア 内田 繁 1800円
  • 古木の物語 牧野和春 2200円
  • 宇宙を叩く 杉浦康平 3600円



  • ■関連情報

    ●2013.10.30 宝井琴嶺の会

    宝井琴嶺さんの会が、2013年10月30日(水)日本橋社会教育会館で行われます。今年で30回を迎える講談の会です。詳細は下記pdfをご覧ください。

    なお書籍『修羅場は異なもの味なもの』本文中p198に、今年の会の日付が間違って「10月29日」と記載されていますが、正しくは「10月30日」です。謹んでお詫びいたします。

    第30回琴嶺の会チラシ
    クリックするとpdfに移動します




    ■書評

    黒石高校図書館だより 書評
    …彼女の数奇な人生にも驚いてしまいました。琴嶺さんは東京で生まれていますが、太平洋戦争の状況が悪化し、小学校に入る前に黒石に疎開してきました。年端のいかない江戸っ子が津軽弁の世界にやってきたのです。きっと寂しくてつらい思いをしたことと思います。…(子育て)が一段落して、自分の生き甲斐を模索し、たどり着いたのが講談でした。
     講談は一人芝居と相通じるところがあります。アマチュアで芸を磨いていたところ、ひょんなことからプロ入りすることになりました、45歳の前座です。先輩からは「オバさん、死んだ気になってやれよ」とか「十年持たないだろう」と言われましたが、52歳で真打ちになりました。遅咲きですが、ある意味スピード出世です。その間の苦労は計り知れません。…

    講談協会公演情報誌『パパン』2014.1・2月号
    修羅場読みの痛快エッセイ。講談の魅力、縁の妙、史跡の深奥、世相寸評……。

    2013.12.8 赤旗 佐藤友美さん書評
    話芸の極みに向かうひたむきさ
    木下順二、山本安英、マルセ太郎、岡本文弥、村山知義ら、鬼籍に入った一流の方々とのおつきあいから学んだことが琴嶺の芸の年輪に深みを与えた。目をまるく見開き、全てを吸収し我が身の血肉にしたいと願う琴嶺のいhたむきさを感じる。講談という話芸の極みに向かい、年齢も性別も関係なく、諦めずにコツコツと努力を惜しまない姿勢に頭が下がった。…(評者:佐藤友美/東京かわら版編集人)

    東京かわら版 2013.12月号
    「琴嶺2冊目のエッセイ集。幅広い内容と人柄を反映した文体、高座同様のリズムが心地よい」と。『東京かわら版』は日本で唯一の演芸専門誌。

    2013.11.27 東奥日報夕刊
    「黒石市出身の女性講釈師で、文化庁芸術祭賞受賞者の宝井琴嶺(きんれい)=本名・塚田善子=さん(75)が、30年間続けてきた年1回の独演会を今年で“打ち止め”にした。…」そして、「修羅場は異なもの味なもの」を出版、精力的な日々を送っている」と新刊も紹介。

    2013.11.11 毎日新聞夕刊
    最後の独演会も見事
    10/30に開かれた宝井琴嶺さんの独演会が紹介され、「琴嶺、情念をにじませて語り読み、ヤマ場へと高めていったのは年輪のなせる業か。見事だった。折り目節目を大切にする人と見た。期を同じくして初の講談エッセー「修羅場は異なもの味なもの」(工作舎刊)も上梓」と新刊も紹介くださいました。

    2013.10.11 津軽新報
    喜怒哀楽、ご縁、史跡探訪、世相寸評など張扇さながらのリズムにのせた痛快エッセイ集

    2013.10.20 陸奥新報
    琴嶺さんの切れの良い気っ風あふれる語り口が痛快な一冊

    日本で唯一の演芸専門誌『東京かわら版』(11月号)
    はみだし情報として新刊案内




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