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「まだら」の芸術工学[詳細]

目次著者紹介書評シリーズ概要


まだらなす9つのイメージの技法

「まだら」……入り交じった状態、いわば境界の混交、
そして、間に立ち顕われるかたち、
あるいはそこから新しい概念を造りだす動き。

文化のまだら(クレオール)、美術のまだら(サンプリング)から、
皮膚のまだら(擬態)、機械のまだら(サイボーグ)、心のまだら(夢)……




■目次より

Lecture 1 北沢方邦(構造人類学) [特異点としての「まだら」]
 宇宙論から芸術まで特異点の存在をめぐって
Lecture 2 今福龍太(文化人類学者) [言語の「まだら」]
 生存することばのボーダーランズ漂流
Lecture 3 海野和男(昆虫写真家) [「まだら」になる自然の巧妙]
 紛れ、脅す「擬態」こそ昆虫たちの生きる知恵
Lecture 4 小谷真理(SF評論家) [物語の「まだら」]
 キメラ・モザイク・サイボーグ世界再考のための装置
Lecture 5 椹木野衣(美術評論家) [アートの「まだら」性]
 「異化を込める」美術の方法のもとに
Lecture 6 川俣 正(アーティスト) [アートの「まだら」性]
 「場」が作りだす渾然一体、未完の構造
Lecture 7 武田雅哉(中国文学) [漢字の「まだら」学]
 中国のふしぎな「じてん」
Lecture 8  多田富雄(免疫学) [「まだら」の生物学]
 自己と非自己の境界域にてまだらを目指す
Lecture 9 新宮一成(精神分析家) [夢の織物「まだら」]
 無意識の欲望を明かす夢の解釈




■著者紹介 (所属・役職は刊行時のもの)

北沢方邦(きたざわ・まさくに)
1929年、静岡県生まれ。構造人類学を専攻する一方、音楽社会学にも造詣を深めてきた。信州大学名誉教授。現在、神戸芸術工科大学教授として芸術工学、科学史などを講ずる。ハタ・ヨーガを実践し、シタールを奏し、実験的パフォーマンスの演出も手掛けるなど幅広い活躍の場を持つ。著書に『構造主義』(講談社)、『知と宇宙の波動』『日本神話のコスモロジー』(以上、平凡社)、『メタファーとしての音』(新芸術社)、および近代文明のゆきづまりを感じた1960年代からアメリカ合衆国南西部のナバホ、ホピたちのインディアンの国を訪ね歩き、『ホピの太陽』(研究社)や『ホピの聖地へ』(東京書籍)などを著す。「深い宇宙論によって一貫したホピの世界こそ、近代が背負ってしまった危機を克服する手がかりになりうる」と語る。

今福龍太(いまふく・りゅうた)
1955年、東京都生まれ。文化人類学者、文化評論家。東京大学を卒業後、テキサス大学人類学科大学院博士課程修了。エル・コレヒオ・デ・メヒコ人工都市研究センター客員フェロー、カリフォルニア大学サンタクルーズ校文化研究センター客員研究員、中部大学国際関係学部教授等を経て、現在、札幌大学文化学部教授。アメリカ南西部、メキシコ、カリブ海、ブラジルなどの地域を身体と意識の拠点として、文化混交を生きる現代人の思想的課題を探究しつづける。そのスタイルは非定住的批評活動といわれる。主著に『感覚の天使たちへ』(平凡社)、『クレオール主義』(青土社)、『移り住む魂たち』(中央公論社)があり、共訳書に『世界文化のフロンティア』(全6巻、岩波書店)がある。「デジタル・ライティングの新時代」をキーワードとするWEBフォーラム「カフェ・クレオール」を主宰する。

海野和男(うんの・かずお)
1947年、東京生まれ。昆虫を主な被写体とする写真家。ものごころついた頃から昆虫の魅力にとりつかれ、少年時代は蝶の採集や観察に明けくれた。東京農工大学の日高敏隆研究室で昆虫行動学を学び、「スジグロシロチョウの交尾拒否行動」の写真の雑誌掲載を契機に、フリーの写真家となる。東京都心、アトリエのある長野県小諸市、アジアやアメリカの熱帯雨林をフィールドとする。著書『昆虫の擬態』(平凡社)は1994年日本写真協会年度賞受賞。主な著作に『蝶の飛ぶ風景』(平凡社)、『大昆虫記』(データハウス)、『ぼくの東京昆虫記』(丸善)、CD-ROM『マルチメディア昆虫図鑑』(アスキー出版)がある。NHK-BSTV「海野和男の熱帯昆虫紀行」、パーフェクト テレビ6時間番組「海野和男の世界」、ホームページ「デジタル昆虫記」も好評。自然科学写真協会副会長。

小谷真理(こたに・まり)
1958年、富山県生まれ。赤十字血液センター検査課勤務を経て、現在は主にSFとファンタジーの評論を手掛ける。1994年、著書『女性状無意識(テクノガイネーシス)—女性SF論序説』(勁草書房)により第15回日本SF大賞受賞。また、巽孝之氏との共訳書ダナ・ハラウェイ他『サイボーグ・フェミニズム』(トレヴィル)で第2回日本翻訳大賞思想部門受賞を果たす。さらに95年に大ヒットした『新世紀エヴァンゲリオン』をフェミニズム批評分析した『聖母エヴァンゲリオン』(共訳、マガジンハウス)、19世紀以降現在までのモダン・ファンタジーの歴史を概説した『ファンタジーの冒険』(共訳、筑摩書房)などがある。アメリカを代表するフェミニスト作家ジョアナ・ラスとの共著、最新刊『テクスチュラル・ハラスメント』(インスクリプト)が話題を呼んでいる。

椹木野衣(さわらぎ・のい)
1962年、埼玉県秩父市に生まれる。同志社大学文学部卒。美術評論家として活躍中。水戸芸術館企画運営委員を務め、現在、多摩美術大学助教授。著書に『シミュレーショニズム—ハウスミュージックと盗用芸術』(河出文庫)、『資本主義の滝壺』(太田出版)、『テクノデリック—鏡でいっぱいの世界』(集英社)、『原子心母』(河出書房新社)、『日本・現代・美術』(新潮社)、村上龍との対話集『神は細部に宿る』(浪漫新社)、日本の「いま」から27名のアーティストとその作品について書いた『22世紀芸術家探訪』(エスクァイアマガジンジャパン)、『平坦な戦場でぼくらが生き延びること—岡崎京子論』(筑摩書房)などがある。つねに内外の現代美術、視覚文化の動向を敏感にとらえている。

川俣 正(かわまた・ただし)
1958年、北海道生まれ。東京芸術大学美術研究科博士課程修了。1982年のベニスビエンナーレへの出品をかわきりに、国際的なアートプロジェクトに参加したり、ビエンナーレに出品。やがて建築物の内外と関わる大掛かりなインスタレーションを世界各国の都市をフィールドとして企画・展開するようになる。一方、オランダで、ドラッグやアルコール依存症などの人たちとともに作業するアートプログラムを作成して実践したり、日本の旧炭坑の町で、その地域の住民とアートプロジェクトを楽しむなど、社会的な出来事をアートの介在により新たな角度で顕在化させてみせる。目的を定めることも完成もないKawamata projectは、現在進行形。著書に『工事中Kawamata』、『Kawamata project on Roosevelt Island』(以上、現代企画室)などがある。

武田雅哉(たけだ・まさや)
1958年生まれ。北海道大学文学部で中国文学の中野美代子に師事。卒業後しばらくは中国に留学。その当時から執筆活動を始める。中国やチベットを放浪して帰国、同大学で中国文学の助教授となる。著書に『翔べ! 大清帝国』(リブロポート)、『世紀末中国のかわら版』(共著、中公文庫)、『桃源郷の機械学』(作品社)、漢字を作ったとされる四目の怪人についての『蒼頡たちの宴』(筑摩書房)、『星への筏』(角川春樹事務所)、もの言うブタの怪物誌『猪八戒の大冒険』(三省堂)、『清朝絵師 呉友如の事件帖』などがあり、荒唐無稽のエピソードをじつに面白く独特の速度で描写する。訳書にベルトルト・ラウファー『サイと一角獣』、ヘンリー・リー『スキタイの子羊』(以上、博品社)等がある。

多田富雄(ただ・とみお)
1934年、茨城県生まれ。千葉大学医学部卒。同大医学部教授を経て、94年まで東京大学医学部教授。その後99年まで東京理科大学生命科学研究所長、95年〜98年、国際免疫学会連合会長。「生命の全体性と免疫」を追求し、医学の専門知識をわかりやすく語った著書『免疫の意味論』(青土社)により大佛次郎賞受賞。『生命の意味論』(新潮社)をはじめとする生命科学に関する多数の著書のほか、『イタリアの旅』(誠信書房)や『ビルマの鳥の木』(新潮文庫)『独酌余滴』(朝日新聞社)では名エッセイストの一面を覗かせる。一方、20歳の頃、偶然の出会いから能への思いをつのらせ、大倉流小鼓を打ち、能舞台に上がることも。また脳死と心臓移植の問題を扱った新作能『無明の井』の作者でもある。99年秋、「隠遁」ならぬ「陽遁」を告げて、執筆活動を主とする。2000年秋『アポロンにしてディオニソス—橋岡久馬の能—』(アートダイジェスト)を著す。

新宮一成(しんぐう・かずしげ)
1950年、大阪府生まれ。京都大学医学部卒。同大学の保健診療所助手を経て、仏政府給費留学生としてパリ第七大学に留学。現在、京都大学大学院人間・環境学研究科教授。精神医学専攻。日本を代表する気鋭の精神分析家として、フロイト、ラカンの理論に基づき、妄想・幻覚の臨床や芸術作品における無意識世界を探るなど広く活躍している。著書に『夢と構造』(弘文堂)、『無意識の病理学』(金剛出版)、『ラカンの精神分析』(講談社現代新書)、『無意識の組曲』(岩波書店)、『夢分析』(岩波新書)、『意味の彼方へ』(金剛出版、編著)、『精神の病理学』(金芳堂、編著)がある。訳書に、V.D.フォーリー『家族療法』(創元社)、ハンナ・シーガル『夢・幻想・芸術』(金剛出版、共訳)などがある。




■書評

「eとらんす 2001年8月号」紹介
小谷真理のサイボーグ論をはじめ、文化人類学、免疫学、美術評論、精神分析などの専門家がまだらの謎を解き明かす。

いとへん(編集工学研究所)「今週の3冊 007週(2001.6.22〜6.29)」
「工作舎・杉浦コンビの仕事なので、とびきりの視覚編集がゆきとどいている。」と大目付の松岡正剛氏も絶賛。 いとへんサイト全文




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