理科系の文学誌 新装版[詳細]
未来=現在を予見する荒俣宏、
初期の代表作、新装版でついに復活!
幻想科学——
科学的想像力こそ〈文学〉の幻想性を支えるエキスだった。
植物の思想——
無機物から有機物をつくりだす植物の〈錬金術〉的思想とは
地上を覆いつくす「表面積の哲学」にほかならない。
言語の宇宙——
脈動する言語の韻律は、マニエリスティックな暗号にも変換して、
広大なアナザー・ワールドを展開していく。
進化と形態——
それは、自然の気まぐれなのか、それとも、宇宙的原理が働いているのだろうか。
博物学——
すべての有機物と無機物は、存在という名の
壮大なスペクトルを形成する、一個の聖なる白色光である
プロローグ 宇宙文学の系譜
PART1 言語の宇宙へ
ケースI『バベル–17』、ケースII『ガリバー旅行記』、ケースⅢ『山椒魚戦争』
PART2 物質の未来を求めて
ケースI『結晶世界』、ケースII『時の凱歌』、ケースIII『エントロピー』
PART3 生命圏科学異聞
ケースI『エレホン』、ケースII『闇の左手』、ケースIII『地球の長い午後』
PART4 二十世紀の展望
ケースIロシア=ソヴィエト、ケースIIイギリス、ケースIIIアメリカ、ケースIV日本
PART5 函数関係としてのSF
ケースI作品〈非(ナル)A〉、ケースII生物学戦争、ケースIII文学建築論
エピローグ 高い城の男、あるいは東西の融合
1947年生れ、蟹座。慶應大学法学部卒業後、某企業のコンピュータ・ルームへ「遺憾ながら」配属。その間も、学生時代から行ってきた幻想文学の翻訳を手がけ、〝別世界通信〟を発信しつづける。1976年には、 紀田順一郎と共同編集の『世界幻想文学大系』で日本翻訳出版文化賞、初の長編小説『帝都物語』で日本SF大賞、『世界大博物図鑑』ではサントリー学芸賞を受賞。編著作書・翻訳書は400冊を超え、現在も、多分野多方面で活躍中。世界妖怪協会会員、京都国際マンガミュージアム館長、世界遺産熊野本宮館名誉館長。
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