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子午線[詳細]

メートル法成立に命を賭した
天文学者たちの愛と冒険。


天に星、地に革命。




■目次より

1 メシェンとドゥランブル、チュイルリー宮殿出発
2 コンドルセのサロン
3 王宮、革命軍の手に落つ
4 ドゥランブル、サン=ドゥニ到着
5 カタロニアのメシェン
6 パリのラヴォアジェ
7 マラー、王立科学アカデミーを告発
8 コンドルセの変節?
9 暫定的メートル法
10 二度目のクリスマス
11 新しい暦
12 コンドルセ、『人間精神発達史』編纂を終える
13 ドゥランブル、ラプラス家訪問
14 アラゴ家のメシェン
15 新体制の学士院
16 パリ、度量衡委員会
17 スパイ、貴族、王党派、いかさま師、あげくの果ては妖術師!
18 果てしない忍耐、ついにメートル原器に結実
19 メシェン、旅先に死す





■著者紹介:ドゥニ・ゲージュ Denis Guedj

パリ第8大学で数学と認識論を講じる数学博士。本業以外にも多彩な才能を発揮し、1987年には優秀シナリオ賞を受賞。1989年のフランス大革命200周年記念祭では委員会の一員として活躍。『子午線』は200周年記念映画の原作となった。邦訳はほかに『数の歴史』『フェルマーの鸚鵡はしゃべらない』がある。




■関連図書

・フェルマーの鸚鵡はしゃべらない ドゥニ・ゲジ 角川書店
・数の歴史 知の再発見双書<74> D・ゲージ 創元社
・経度への挑戦 デーヴァ・ソベル 翔泳社
ケプラーの憂鬱 孤独な天文学者の半生 ジョン・バンヴィル 工作舎
世界の複数性についての対話 17世紀の宇宙旅行 フォントネル 工作舎
夜の魂 天文学逍遙 チェット・レイモ 工作舎
夜の国 心の森羅万象をめぐって ローレン・アイズリー 工作舎
星投げびと コスタベルの浜辺から ローレン・アイズリー 工作舎



■書評

中山茂氏(『週刊ポスト』1990年1月1日)
「……読み進んでゆくうちにこれこそフランス革命の精神だと悟らせる何かにゆき当たる。それは合理性と普遍性の探求とでもいうべきか。
 物語の主人公は、革命中に地球の周囲の四万分の一と定義したメートルの長さを正確に決めようとして、パリから馬車で出発して、一人は北に、一人は南に、精密な測量事業を遂行した二人の天文学者、メシェンとドゥランブルである。二人とも地味ではあるが、天文学史の上では知られた人物であり、後者は今にいたる最良の天文学史を書いた人として知られる。彼らがパリを出発したときはフランスはまだ王国であったのが、やがて共和国となり、おしまいにはナポレオンの支配となる。時勢とは関係ないように見える彼ら天文学者達の仕事も、緊張した時勢の中で、スパイの嫌疑を受けたり、妖術師の嫌疑を受けたりで、決してスムーズには運ばない。危うく命を落としそうな場面に何度も遭遇する。
 その二人のまわりにコンドルセやラヴォアジェのような当世一流の学者を配し、彼ら学者達の革命のさなかにおける言動を、刻々変わる情勢の中で描いてゆく。興味深いフランス革命史の一コマだ」



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