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SPT 08[詳細]

目次執筆者バックナンバー


特集 演劇のグラフィズム
──最初に幕を開けるもうひとつの舞台

舞台開幕のはるか前から動きだす宣伝美術。それは脚本も演出プランも固まっていない状況で、最初にその芝居の世界観を形にする、開幕前のもうひとつの舞台である。日本演劇の宣伝美術は、映画や美術展の宣伝とはまったく異なる方法論で、特異な発展をとげてきた。大判のポスター、分厚いチラシの束、そして印刷媒体を超えて多様化するデジタル情報……。「観に来てほしい」というメッセージはいま、演劇の現場でどのように発信され、届けられているのか(あるいは届かずにいるのか)。今号では演劇宣伝美術の機能にスポットライトをあて、それがアートワークとしての魅力を備え、集客機能を備えた代弁者になり得ているのか否かを浮き彫りにする。


■目次より

表紙     表紙の言葉  大竹伸朗

演劇行為の一部としての宣伝美術
──「演出コンセプト」「上演意図」「最初の一手」を込める方法論

インタビュー  演出のコンセプトをチラシに込める。
       お客さんがチラシを読み取り、謎解きするところから、
       その芝居はすでにはじまっている。  野村萬斎

インタビュー  お芝居の宣伝は芝居の中身を伝えるための道具。
       宣伝では必ず「毒と裏切り」を潜ませておかないと、
       第三者にはつたわりにくい。  中條正義

インタビュー  舞台写真は、舞台の本質的な魅力や
       芝居が訴えかけようとしているものを増幅する仕事。
       宣伝写真は、演者の一番の魅力を、最初に引き出す仕事。 篠山紀信

インタビュー  今、どうしてこの企画をやるのかをポスターやチラシにしてほしい。
       それが現代に生きるってことじゃないですか。  鈴木敏夫

インタビュー  舞台公演ができなくても、チラシやパンフレットだけはつくりたい。
       この思いはあながち冗談ばかりとも言えないっていうか(笑)。
           ケラリーノ・サンドロヴィッチ+青山 功

捨てられるべき宿命を背負った媒体
──「B全判ポスター」「折り込みチラシ」の方法論

インタビュー  効率や費用対効果だけでは判断できない、
       「無駄」だからこそ機能や魅力が
       B全判のポスターには宿っています。  笹目浩之

インタビュー  最終的には捨てられてしまうのもチラシの宿命。
       それにちゃんと向き合った上で何をつくり、
       つくらないかを考えてほしい。  郡山幹生

集客機能と作品性を担った表現
──「ブランディング」「イメージ増幅」の方法論

インタビュー  観客動員に貢献することをピラミッドの頂点に。
       演目ですら、その頂点の下にある
       という信念を持っています。  水野 学

インタビュー  ヴィジュアル・インパクトは、造形的、色彩的な強さだけではなく、
       コアになるイメージが持っている強さだ
       と思っています。  近藤一弥

私は「宣伝美術」をどう考えているか
──演劇人11人のこだわりと、演劇界外部からの視点

アンケート  劇団主宰者/パフォーマー11人の「宣伝美術」への取り組み
   伊藤キム/江本純子(毛皮族)/桑原裕子(KAKUTA)/柴 幸男(ままごと)
   下西啓正(乞局)/杉原邦生(KUNIO)/二階堂瞳子(バナナ学園純情乙女組)
   捩子ぴじん/広田淳一(アマヤドリ)/前田司郎(五反田団)/三浦 基(地点)

インタビュー  貼っては剥がされ、また貼って、
       白い目で見られながらティッシュを配る。
       風俗のほうがよっぽど演劇的行為をしていますよ。  都築響一

巻末付録  世田谷パブリックシアター主催公演作品リスト 1997年度-2011年度

*カバーを広げるとB2ポスターになります。表は[大竹伸朗 SPTカバーコレクション]。裏は1997年度から2011年度の世田谷パブリックシアター主催公演のチラシ画像を掲載。
SPT 08カバーポスター表  ポスター画像はこちらへ





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