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周期律[詳細]








■目次より

1 アルゴン  2 水素  3 亜鉛
4 鉄  5 カリウム  6 ニッケル
7 鉛  8 水銀  9 隣 
10 金
  11 セリウム  12 クロム
13 硫黄
  14 チタン  15 砒素
16 窒素  17 錫  18 ウラニウム
19 銀
  20 ヴァナディウム  21 炭素





■著者紹介:プリーモ・レーヴィ Primo Levi 1919-87

イタリア北部トリーノのユダヤ系の家系に生まれる。1937年、トリーノ大学に入学し化学を専攻。43年9月、トリーノがドイツ軍に占領されレジスタンス活動に参加するが、12月に捕らえられ、アウシュビッツ強制収容所に流刑。45年1月、ロシア軍に奇跡的に救出される。
帰国後、化学工場に勤めながら作家活動を開始。収容所体験を書いた『アウシュビッツは終わらない』(1947)で高い評価を得る。『休戦』(1963)の後、『ひどく自然な物語』(1967)、『形の欠陥』(1971)などでは幻想小説風のアプローチで現代文明の病を諷刺。元素に託した随想録『周期律』(1975)は代表作となった。『星型のスパナ』(1978)ではイタリアで最も権威のある文学賞のひとつストレーガ賞を受賞。
『今でなければ いつ』(1982)、『溺れるものと救われるもの』(1986)など創作活動が円熟の極みに達した87年4月、原因不明の自殺を遂げた。




■関連図書

・アウシュビッツは終わらない プリーモ・レーヴィ 朝日新聞社
・今でなければ いつ プリーモ・レーヴィ 朝日新聞社
・休戦 プリーモ・レーヴィ 朝日新聞社
・溺れるものと救われるもの プリーモ・レーヴィ 朝日新聞社
・プリモ・レーヴィは語る マルコ・ベルポリーティ編 青土社
・プリーモ・レーヴィへの旅 徐京植 朝日新聞社
・アウシュヴィッツの残りのもの アルシーヴと証人 ジョルジョ・アガンベン 月曜社
残虐行為展覧会 現代の恐るべき黙示録 J・G・バラード 工作舎
五つの感覚 イタロ・カルヴィーノ追想 ゴンザレス・クルッシ 工作舎
ペルシャの鏡 ライプニッツの迷宮 トーマス・パヴェル 工作舎
ケプラーの憂鬱 孤独な天文学者の半生 ジョン・バンヴィル 工作舎



■書評

NHK教育ETV2003「アウシュビッツ証言者はなぜ自殺したか」(2003年3月5、6日/再3月29日深夜)
徐京植氏が『周期律』を感慨をこめて朗読。

筒井康隆氏 (「本の森の狩人」『読売新聞』1992年10月19日)
「……この有名なイタリアの作家のもうひとつの顔は、大学で化学を専攻し、鉱山や薬品会社や塗料の工場で技師として働き、分析を請け負う試験所を自分でやったりもした化学者なのだ。
 第1章の「アルゴン」は先祖及び一族の話である。「怠惰なもの」というギリシャ語の語源を持つ不活性ガスのアルゴンをユダヤ人である自分の一族に結びつけているのである。第2章「水素」から自伝に移り、ここでは友人と一緒にその兄の実験室に忍びこみ、水素を爆発させた思い出が書かれている。以下各章が元素にかかわるそれぞれ異なった工夫の凝らされたエピソードであるが、「鉛」「水銀」「硫黄」「チタン」の四種は創作で、それぞれの短篇が書かれた時期に相当する場所におさまっている。中でも「水銀」は傑作で、名短篇といっていいだろう」



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