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美の匠たち[詳細]

目次著者紹介書評


伝統工芸の未来に風穴を開ける
 日本伝統工芸士会会長 梅村晴峰

明るく、しなやかに、匠の道をあゆむ女性たちがいる。
家事、子育て、介護など、現実の生活をしっかり受けいれながら……

男性優位の風潮のある工芸の世界にあって、
女性伝統工芸士が「私たちの展示会を」と立ち上がった。
そして2000年、「第一回 女性伝統工芸士展」が実現する。
披露された工芸品の数々は、老若男女の関心を集め、
新しい風を伝統工芸の世界に吹きこんだ。




■目次より

第一部 世界へ、そして未来へ

第二部 「12人の匠」それぞれの冒険──新しい伝統美をつくる!

2-01 伊万里・有田焼──青木妙子(あおき たえこ)
   伝統の里から、新しい冒険がはじまる!

2-02 伊万里・有田焼──市川翠子(いちかわ すいこ)
   女手ひとつで、伊万里の窯を守る!

2-03 博多人形──井上あき子(いのうえ あきこ)
   能面に魅せられ、作品にいのちを吹き込む人形師

2-04 熊野筆──伊原木嘉世子(いばらぎ かよこ)
   「生きた毛」との深いつきあいから生まれる名筆

2-05 東京手描友禅──上田環江(うえだ たまえ)
   二人三脚で、それぞれの道を行く夫婦作家

2-06 山中漆器──大下香苑(おおした こうえん)
    色漆で多彩な「蒔絵」世界を描く表現者

2-07 京友禅──岡山武子(おかやま たけこ)
   新しいの友禅染を実現したい!

2-08 京くみひも──梶操(かじ みさお)
   果てしない夢を「くみひも」づくりに託す女性工芸士

2-09 京鹿の子絞・川本和代(かわもと かずよ)
   一年を超える手仕事の積みかさねから生まれる絞りの美

2-10 京繍──下司喜三子(げし きみこ)
   「間」のリズムが描く奔放なイメージ

2-11 西陣織・爪掻き本綴織──小玉紫泉(こだま しせん)
   見果てぬ夢を追い、斬新なデザインに挑戦

2-12 博多織──伴和子(ばん かずこ)
   どこまでも深いブルー、そして茜色に燃える海



■著者紹介:佐藤徹郎 (さとう・てつろう)

1941年、中国(満州)に生まれる。63年、早稲田大学政経学部卒業。第一・二次産業ものづくりの原点を重視して出版活動を続ける。ダイヤモンド社勤務。同社刊『日本伝統工芸品産業全集』を編集。




■書評

2001.9.23 読売新聞
…女性ならではの斬新な作風で大きな風穴を開けようとする、伊万里・有田焼、博多人形…など12人の女性の活躍ぶりを探る。

週刊朝日
<(京鹿子絞の)川本さんは、10本の指をフル稼動させる。怠けている指は一本もない…>。みなさん、働き者なのだ。…リストラだの成果主義だのと、日々の話題はとかく息苦しいけれど、本書の女性の匠たちから元気をもらった。

2001.8.1 東京新聞 鎌田慧氏
…目線は鋭いのだが、表情がとてよく、話は豊かである。たとえば、「京繍」で、五色の糸で縫い取りをしている下司喜三子さんは、絹の着尺に針を刺しながら、イメージがふくれてきて針が走りはじめると、「おっとっと、あなたどこに行きたいの?」と針に声をかけて、指の動きをとめる。…博多人形をつくっている井上あき子さんは、人形もまた人間とおなじようにそれ自身で生きていく。人形師もまた人形づくりのなかで成長する、という。芸談のような味わい深い話がつづくのは、つくり手とそれをつかうひとたちが、それぞれ生活のなかでつながっているからだ。…




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