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5月の新刊 桃山晴衣著
『にんげんいっぱい うたいっぱい』


『にんげんいっぱい うたいっぱい』


桃山晴衣(ももやまはるえ)『にんげんいっぱい うたいっぱい――日本の音はどこへ行く』を5月に刊行します。平安末期の歌謡集「梁塵秘抄」を現代に甦らせ、日本の音、日本のうたを求め創造した音楽家・桃山晴衣さんの遺稿集。

桃山さんは6歳から三味線を始め、「桃山流」を創設して若き家元となったものの、それに満足せず、25歳で伝統ある宮薗節に入門。そこでの研鑽に加え、長唄や明治大正演歌、今様浄瑠璃など多岐にわたる日本音楽を身につけ、さらにピーター・ブルック、デレク・ベイリーなど世界のアーティストとの交流を重ねた稀有な音楽家。

本書は、桃山さんの公私にわたるパートナーであるパーカッショニスト土取利行さんの企画で立ち上がり、日本を代表するグラフィックデザイナー杉浦康平さんに造本をお願いしました。目下、カバーを複数種の紙で色校再校中。近年希な丁寧な本づくりをしています。

土取さんの主催で、4月16日に京都・恵文社COTTAGEにてトーク&ライブ、19日から30日は東京・馬喰町ART+EATにて出版記念特別展示会、同所にて22日・23日にトーク&ライブも開催。本の刊行は残念ながらイベントに間に合わないのですが、5月末を予定。会場では予約を募ります。どうぞよろしくお願いいたします。


椿


■目次より

1975-1979 修行と伝統

伝承をうたう/「はるえにちろく」から
家元と呼ばないで/家元制と近代

1977-1988 交歓と別離

三味線の音色をつくる――竹内庸介さん訪問
演歌と叛骨――添田知道さん訪問
近代邦楽事情――父、鹿島大治訪問
平曲修行と名人たち――井野川幸次検校訪問
胡弓の理想――横井みつゑさん訪問
添田知道さんが逝ってしまわれた
千寿師匠の死を悼む/秋山清さんを偲んで

1981-1983 今様の冒険

「梁塵秘抄」に出会えて
「梁塵秘抄」の世界をうたいながら
各務原雨の夜ばなし――桃山晴衣+藤井知昭+青木雨彦+皆川達也

1982-1990 遍歴と輪舞

ウードと三味線――ハムザ・エル=ディン
デレク・ベイリーとの即興/パリの三人の音楽家
モロッコは三絃の国/パリからの便り
タゴール・ソングと土取利行/インド紀行
たかが日本、されど日本

1985-1990 帰郷と三絃

内なる風景、外なる風景/祭りの魅力を感じるとき
生活をデザインする/弾き語り放浪の旅から
三絃世界はファンタジー/夢二の三味線
げんげんばらばら奥美濃日記

ビジュアル・ページ

桃山晴衣自筆の宮薗節譜「鳥辺山」
写真帖よ



■著者紹介:桃山晴衣(ももやま・はるえ)

桃山晴衣

1939年6月22日東京生まれ。 6歳から三味線を始め、1960年、芸と文化を考える「於晴会」を結成、桃山流を創設し家元となる。1963年、古曲、宮薗節に入門、四世宮薗千寿の内弟子となる。1974年、家元をやめ、「古典と継承」シリーズの公演を開始。1981年より「梁塵秘抄」の全国ツアーを展開。1987年、岐阜県郡上に土取利行とともに立光学舎を創設。1990・91年、 ピーター・ブルック演出「テンペスト」の音楽と歌唱を担当。 2008年12月5日、逝去。



『にんげんいっぱい うたいっぱい』
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『にんげんいっぱい うたいっぱい』チラシ
チラシ。裏面に土取さんと五木寛之さんの推薦文を掲載。
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