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松岡正剛『にほんとニッポン』売れてます!


にほんとニッポン

松岡正剛さんの『にほんとニッポン』が売れています。5年程前の本なのに急に注文が相次ぎ、ネット書店Amazonではまさかの「中古品」扱いに。在庫はあるにもかかわらず、です。
これはAmazonに在庫があまりない商品が急に売れ出して、注文を出してもすぐには入荷しないので、それを待てずに注文を何回も繰り返すことによって在庫がないと勝手に判断されてしまうという、いわゆる「カート落ち」です。すぐに日販さんに連絡して多めに在庫をもってもうことにしましたが、あいにくの決算時期で搬入が足踏み状態に。Amazonで在庫ありになるには週末まで待たないといけないでしょう。

という流通上の仕組みはいいから、なぜ売れたのかわかったのかとお叱りの声が聞こえてきそうです。すぐにわかりました。松岡正剛さんの新刊『日本文化の核心 ジャパン・スタイル」を読み解く』(講談社現代新書)が3月18日に発売されたのでした。
そのp.104 「第五講 和する/荒ぶる」の中の節、「「にほん」と「ニッポン」の使い分け」に

「私の著書に『にほんとニッポン』(工作舎)という本があります。私たちが日本を「にほん」とも「ニッポン」とも、日本人を「にほんじん」とも「ニッポンジン」とも発音してきたのはどうしてなのだろうか。理由があるなら知ってみたいという、そんな問題意識から、日本の歴史文化や社会文化にひそむ「デュアルな柔構造」をいろいろふりかえったものでした。」

もちろん、『にほんとニッポン』は発音の話だけではありません。『日本数奇』や『花鳥風月の科学』など松岡日本学20余冊をリミックスし、目次立てが
 【い】イレズミの国、コトダマの国。——列島誕生から万葉まで
 【ろ】華厳、マンダラ、南無阿弥陀仏。——平城建都から院政まで
 【は】歩く西行、坐る道元。——鎌倉幕府から戦国まで…(以下略)
と、時代順に編集されています。

一方、『日本文化の核心』は、目次立てが
 第一講 柱を立てる
 第二講 和漢の境をまたぐ
 第三講 イノリとミノリ
 第四講 神と仏の習合…(以下略)
となり、その中で、お米のこと、柱の文化について、客神の意味、仮名の役割、神仏習合の秘密、間拍子と邦楽、器「すさび」や「粋」の感覚のことなど、テーマごとに解読された、語り下ろし。

『にほんとニッポン』と『日本文化の核心』は縦と横の関係。2冊あわせて読み込むのがよいと気付いた方が多かったのでは。『にほんとニッポン』は在庫がありますので、一般書店でお求めください。



■『にほんとニッポン』目次より

【い】イレズミの国、コトダマの国。——列島誕生から万葉まで
  ユーラシアの東の隅で/フミとクニと仏/万葉の国家構想
【ろ】華厳、マンダラ、南無阿弥陀仏。——平城建都から院政まで
  平城メトロポリス/末法へ向かう平安/あはれからあっぱれへ
【は】歩く西行、坐る道元。——鎌倉幕府から戦国まで
  方道理と今様/芸と聖のネットワーク/茶の湯と下剋上
【に】天下の器量、浮世の気っ風。——織豊政権から幕末まで
  秀吉の朝鮮、家康の中国/江戸の概念工事/爛熟するメディア都市
【ほ】黒船、敗戦、原子力。——富国強兵から平成まで
  開国の右往左往/昭和の忘れもの/軍事の、経済の、生活の大国


■著者紹介:松岡正剛(まつおか・せいごう)

1944年1月25日、京都に生まれる。早稲田大学中退後、高校生のための読書誌「ハイスクール・ライフ」編集長を経て、1971年、オブジェ・マガジン「遊」創刊とともに、工作舎を設立。80年代初頭より日本美術文化全集「アート・ジャパネスク」の総合編集を担当。1982年に工作舎より独立、87年、編集工学研究所を設立。2000年から、ウェブ上ブックナビゲーション「千夜千冊」をスタート、現在も継続中である。編集工学研究所所長、イシス編集学校校長。俳号「玄月」。




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