6月の新刊2
『最後に残るのは本』
6月の新刊第2弾は、『最後に残るのは本』です。
工作舎の本にはさみこんだ新刊案内「土星紀」に連載したエッセイ「標本箱」を1冊の書籍にまとめました。小松和彦、高山宏、池澤夏樹、鶴岡真弓、松浦寿輝など総勢67名の書物をめぐるエッセイ集。表題は多田智満子のエッセイより。かつて「土星紀」デザインを担当した祖父江慎と米澤敬編集長の対談収録。
四六判変型/上製、248頁(カラー8頁含む)、本体2500円。製本は祖父江慎さん流「なんちゃって背継ぎ表紙」。本好きの憧れ、「背継ぎ表紙」を模した造本です。6月下旬刊行予定。どうぞお楽しみに。
*本書は工作舎50周年記念出版(記念プレゼントはこちらをご覧ください)。*元の「土星紀」についてはnoteで「土星紀セレクション」を連載中。拡大して書体まで判読できます。
■目次より
はじめに─土星と標本
ないたあかおに 小松和彦
匂いのない「電子の本」 坂村 健
宜しかったら豪華本に 小野健一
私と本 杉浦日向子
ワールブルク研究所のことフランセス・イエイツのこと 佐々木 力
「木」を削る者にとっての「本」 稲本 正
本になりすました標本箱 海野和男
闇に咲く本 田中優子
本の代謝 芹沢高志
本の風合い 奥村靫正
わかる本知る本好きな本 彌永信美
いっしょに暮らしたい本 コリーヌ・ブレ
子供が盗んだ「チャップ・ブック」 井村君江
本と検閲 野崎昭弘
わが部屋をめぐる旅 高山 宏
背伸びして読む本 奥井一満
マラルメの反=書物論 兼子正勝
ショーペンハウアーの読書論 田隅本生
本の利用法 松山 巖
一回の旅に一冊の本 管 洋志
一を識り十を「観る」 梶川泰司
読書日録 由良君美
最初の読者 長谷川憲一
知識の個体発生を追走する 渡辺政隆
梅園とブロンテ姉妹 木村龍治
本の軽重 山田脩二
「本」がとりもつ縁 池内 紀
本気の怖さ 鎌田東二
過剰な身体に読ませるもの 藤原惠洋
読者・評者・著者 森 毅
古典の条件 根本順吉
書物こそ吾がグル 松田隆智
本を盗んだ少年 加藤幸子
海外旅行には、いかような本がよいのか? 夢枕 獏
本のおかげ 養老孟司
書物と読者 八杉龍一
ほんのおはなし 矢川澄子
フランス人の進化論嫌い 富山太佳夫
超能力と書物 林 一
寄贈本のこと 三浦清宏
「謝辞」や「献辞」について 垂水雄二
パリの本屋歩き 宮下志朗
恐怖の光景 三宅理一
再読の欲望について 池澤夏樹
黙読の誕生 池上俊一
本の所番地 横山 正
本草書の入れ子様式 石田秀実
稀覯書も眠れる森の美女 高橋義人
コデックスのコード 鶴岡真弓
ある関数 澤井繁男
緩急自在に読む 藤幡正樹
コンピュータと古書 笠原敏雄
海、ヴェルヌ、そして少年期の夢 西村三郎
読み人知らず 佐倉 統
「リアル」を描くために 布施英利
本と鏡 谷川 渥
本の中の星 小林健二
漫画様、ありがとう 桐島ノエル
黄ばんだ片仮名 西垣 通
この話はほんとなのです 大鹿智子
本の霊 中村桂子
旅先で今日も古書探し 鹿島 茂
出会いと関係性の読書 風間賢二
ある夏の奇跡 巽 孝之
赤道書店への道 港 千尋
最後に残るのは本 多田智満子
この冬、この本 松浦寿輝
「土星」の歩き方─あとがきに代えて 祖父江 慎×米澤 敬