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11月の新刊2 S・J・グールド
『進化理論の構造』


進化理論の構造I進化理論の構造II

11月のもう1点の新刊は、稀代の進化生物学者スティーヴン・ジェイ・グールドの遺作にして最高傑作の『進化理論の構造』全2巻。

グールドが20年の歳月をかけて書き上げた進化理論史の集大成。ダーウィニズムの長大な論証を経て、ダーウィン進化論の拡張を試みた大傑作。
I巻は、ゲーテ、ラマルク、ダーウィンから現代総合説までの[歴史篇]。II巻は、創造説との闘い、ドーキンスとの角逐、自身の断続平衡説をめぐる論争などを収めた[現代篇]。世界中のファンを今も魅了する洒脱にして重厚な文体が冴え渡るドラマティックなエピソードが満載。図版多数収録。




■目次

I—歴史篇

 1章 進化理論の構造を定義し改訂する
第一部 ダーウィン流ロジックと論争の歴史
 2章 ダーウィニズムの本質と現代正統派理論の基盤—『種の起源』の解釈
 3章 階層理論の種子
 4章 内的要因論と形態の法則—機能論に替わるダーウィン以前の考え方
 5章 ゴールトンの多面体の実り多き切子面—ダーウィン以後のフォルマリズムにおける経路と跳躍進化
 6章 地質学の舞台におけるパターンと前進
 7章 限定的な総意としての現代総合説

II—現代篇

第二部 進化理論の修正と拡張に向けて  8章 淘汰の階層理論における個体としての種
 9章 断続平衡説および大進化理論の正当性
 10章 個体発生と系統発生における統合と適応[構造と機能]—歴史的な拘束と発生の進化
 11章 個体発生と系統発生における拘束と適応[構造と機能]の統合—構造的な拘束、スパンドレル、大進化における外適応の重要性
 12章 時間の塁層と外挿論の審理に一般理論と偶発的な歴史の相互作用に関するエピローグを添えて

索引/参考文献/訳者あとがき



■著訳者紹介

スティーヴン・ジェイ・グールド[Stephen Jay Gould]
1942年ニューヨーク市生まれ、2002年没。アンティオック・カレッジ卒業。コロンビア大学大学院修了。ハーヴァード大学教授。専攻は古生物学、進化生物学、科学史。著書は、ニューヨーク自然史博物館発行の『ナチュラル・ヒストリー』誌に1974年から20年間、300回にわたって連載したエッセイを中心にまとめた『ダーウィン以来』から『ぼくは上陸している』までの10冊の科学エッセイ集、世界的なベストセラーとなったカンブリア紀の奇妙な化石動物をめぐる『ワンダフル・ライフ』(以上早川書房)、進化発生学という新領域を準備した『個体発生と系統発生』、地質学的時間をテーマにした『時間の矢・時間の環』(以上工作舎)、科学の名のもとに行われてきた知能測定や優生主義を徹底的に批判した『人間の測りまちがい』(河出書房新社)など多岐にわたる。2002年、20年をかけて執筆した『進化理論の構造』(本書)刊行直後に逝去。

渡辺政隆(わたなべ・まさたか)
サイエンスライター、同志社大学特別客員教授、東北大学特任教授。1955年生まれ、東京大学農学系大学院修了。専門は進化生物学、科学史、サイエンスコミュニケーション。著書、『ガラガラヘビの体温計』(河出書房新社)、『DNAの謎に挑む』(朝日選書)、『シーラカンスの打ちあけ話』(廣済堂出版)、『一粒の柿の種』(岩波現代文庫)、『ダーウィンの遺産』(岩波現代全書)、『ダーウィンの夢』(光文社新書)、『科学で大切なことは本と映画で学んだ』(みすず書房)、『科学の歳事記』(教育評論社)、『最後に残るのは本』(共著、工作舎)ほか、訳書、S・J・グールド『個体発生と系統発生』(共訳)、『時間の矢・時間の環』、A・デズモンド+J・ムーア『ダーウィン』(以上工作舎)、S・J・グールド『ワンダフル・ライフ』、『ぼくは上陸している』(早川書房)、C・ダーウィン『種の起源』、『ミミズによる腐植土の形成』(光文社古典新訳文庫)、E・タウンゼンド『ダーウィンが愛した犬たち』(勁草書房)、R・フォーティ『生命40億年全史』(草思社文庫)ほか。






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