工作舎ロゴ 書籍解説

HOME > 書籍 > ジャンル一覧新刊一覧 > アルス・ロンガ/基本データ




アルス・ロンガ[詳細]

目次著者紹介関連図書関連情報書評



ミケランジェロ、ヴァザーリ、カノーヴァ、
ロダン、ゴッホ、シーレ、ウォーホル…

美術家は作品の中で生き続ける

アルス・ロンガ、ヴィタ・ブレヴィス( Ars longa, vita brevis)。
古代ギリシアの医師ヒポクラテスにさかのぼる格言で、「人生は短いが、医術の習熟には時間がかかる」という意味だった。 やがて「アルス」の意味が拡がり、「芸術家の人生は短いが、作品は長く残る」という解釈も普及していく。
時代や地域を超え、美術家が作品と一体化し、作品の中で永遠に生き続けているかのように見える例を紹介し、美術家と作品の関係を多角的に考察する。




■目次

0 作品の中に消える美術家
   伝説
   美術家と作品の合成
   パフォーマンス
   ポロック
   美術家を映しだす作品

第1部 美術家モニュメント

1 作品による礼賛(オマージュ)
   カノーヴァのためのモニュメント
     フラーリ聖堂のモニュメント
     対抗モニュメント
     各地のカノーヴァ・モニュメント
   彫刻作品のリサイクル
   アングルのためのモニュメント

2 肖像から作品へ
  プッサンのためのモニュメント
     サン・ロレンツォ・イン・ルチーナ聖堂のモニュメント
     初期のプッサン・モニュメント
  メダルと版画
     メダル
     版画
  画家礼賛の絵画
  代理としての作品

3 モニュメントを超えて
  ゴッホと向日葵
  ロダンと考える人
     考える人
     フィラデルフィアのロダン美術館
  巨匠の系譜
  マレーヴィチと黒の正方形

4 全作品をまとめる
  アングル《トルコ風呂》
  カノーヴァの複製版画
  個人の美術家の作品コレクション
  過去の巨匠の複製コレクション
  先駆けと継承

第2部 美術家と作品の空間

5 家とアトリエ
  美術家の家の成立
  ルーベンスの家
  ソーンの家
  モニュメントとしての家
     ヴィラ・シュトゥック
     ブランクーシとジャコメッティのアトリエ
  美術家の空間と作品の空間の融合

6 不在による現前
  空の椅子
  空の部屋
  死のメタファ
  モニュメントとしての不在

第3部 死と美術家

7 作品の前での死
  美術家の遺体と作品
  ミケランジェロの葬儀
  カノーヴァの葬儀

8 死の備え
  墓の制作
     ラファエッロ
     ミケランジェロ
     ティツィアーノ
  死の先どり
  死の演出
     ボイス
     ウォーホル
     イヴ・クライン
     ジョセフ・コーネル

9 作品の中での永眠
  伝統の継承
     フィレンツェ大聖堂の建築家たち
     クリストファー・レン
     ピュックラー=ムスカウ
     スカルパ
  描かれた画家の墓廟
     ベックリーン《死の島》
     比較例

10 美術家記念の総合芸術
  カノーヴァのための記念建築群
  トルヴァルセン美術館
  ヴェラ美術館とセガンティーニ美術館
  成立の背景
  ダリ劇場美術館
  ロスコ・チャペルと壊れたオベリスク

第4部 アルス・ロンガ

11 時と死にうち勝つ絵画
  アルス・ロンガ
  作品の限界
  時と死にうち勝つ絵画
     ハーハト《へ―ストのギャラリー》
     一七、八世紀の版画
  自画像とヴァニタス
  絵画の記憶と想起の力

12 死後、生きる
  フェイディアスの自刻像と伝統
  作品の中での延命
     ドイツ・ロマン主義
     ターナー《ワトー研究》
  現代への継承
     ベックリーンとキリコ
     ジャスパー・ジョーンズ
     デュシャン
     ウォーホル
  結語

あとがき
文献
図版リスト
人名索引/事項索引
ペーター・シュプリンガー 業績目録/要約



■著者紹介

ペーター・シュプリンガー(Peter Springer)
ドイツの美術史家。ドイツの中世と19世紀の美術を主要な研究対象とする。主著は『十字架脚 初期中世の聖具の図像と型』(1981)、『ケルン大聖堂のモザイク』(1991)、『中世と近世のあいだで 建築家、建築史家、修復家、美術館人としてのアウグスト・エッセンヴァイン』(2014)ほか多数。 『右手と頭脳―エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナー〈兵士としての自画像〉』は、英語と日本語(前川久美子訳 三元社、2010)でも刊行されている。

前川久美子(Kumiko Maekawa)
美術史家。専門は西洋美術史、とくに中世の装飾写本とルネサンス絵画。主著は『語りと経験 13世紀の絵本の革新』(2000)、『巡礼としての絵画』(工作舎、2009)、『中世パリの装飾写本』(工作舎、2015)ほか。




■関連図書(表示価格は税別)

  • 『中世パリの装飾写本』 定価 本体3800円+税
  • 『巡礼としての絵画』 定価 本体4800円+税
  • 『ルネサンス・バロックのブックガイド』 定価 本体2800円+税
  • 『綺想の帝国』 定価 本体3800円+税



  • ■書評

    アートコレクターズ 2020年5月号紹介
    …ミケランジェロ、ロダン、ウォーホルなどの芸術家が死に向き合って制作した作品で、自分の集大成をどう残したのかや、自ら作品と融合を試みた例などを挙げ、古今の芸術家が作品の中で生き続けていることを明かしていく。

    2020.4.25 朝日新聞 横尾忠則氏書評
    作品の中で永遠に生きる方法
    …古代ローマの哲学者セネカの『人生の短さについて』を読んだ人は、本書の言わんとすることがそのままセネカの書の題名であることに気づくはずだ。古代ギリシアにさかのぼる格言「アルス・ロンガ」は今では「芸術家の人生は短いが、作品は長く残る」という解釈に用いられている。 (中略)
    …デュシャンは「自分がだれかを知り、自分がなにをやっているかがわかっている画家はいない」と言う。だからフィクション化して転生したいのだろうか。
    全文は[朝日新聞|好書好日サイト]

    月刊美術 2020年5月号紹介
    古代ギリシアの医師ヒポクラテスにさかのぼる「アルス・ロンガ、ヴィタ・ブレヴィス」(芸術は長く、人生は短い)に由来。死と向き合った作品、自分の人生をどう作品に込めたのかなど、芸術家を死との関連で読み解く。

    2020.3.20  週刊読書人 秋丸知貴氏書評
    芸術作品を通じて永遠に生きる 芸術家像の成立と展開
    ペーター・シュプリンガーの遺稿を編集しつつ本書を共同執筆した前川久美子による、本書の成立経緯を解説したあとがきに心を動かされた。本書もまた、一人の美術史家の永遠の魂の結晶であり、二人の美術史家の不滅の友情の証である。
    全文は[週刊読書人公式サイト]






    ALL RIGHTS RESERVED. © 工作舎 kousakusha