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新ターニング・ポイント[詳細]


ポスト冷戦時代の地球市民の課題の見えない政治・行政、
ポストバブルの指針をうちだせない経済モデル、
生命体を部品と見なし、薬とテクノロジーの濫用に暴走する医療、
人にやさしくすることが富と見なされない社会……
現代社会のすみずみにまで浸透する
機械論的な世界観の限界を徹底的に洗いだし、
21世紀への価値観の転換を示す待望の書。



■目次より

新版へのまえがき
Part 1 危機と変易
第1章 変わりゆく潮流
  1 文明の盛衰パターン
  2 三つの大変化の合流
  3 陰と陽のダイナミクス
  4 機械論的世界観の影響
  5 エコシステムとホロン
  6 上昇する文化と新しい世界観


Part 2 ふたつのパラダイム
第2章 ニュートン物理学と機械論的自然観
  1 ガリレオとベーコン
  2 デカルトの方法
  3 ニュートン物理学
  4 電磁気学と熱力学の衝撃

第3章 新しい物理学
  1 量子論の登場
  2 量子論の世界観
  3 量子論と相対性理論の出会い

Part 3 デカルト = ニュートン思想の限界
第4章 機械論的生命

  1 『人間機械論』の系譜
  2 パスツールとベルナール
  3 進化論の形成
  4 分子生物学の登場
  5 残された課題
第5章 ひろがる医療危機
  1 生物医学モデルと現代医学
  2 心の病気に対するドグマ
  3 とり残された死の問題
  4 テクノロジーの濫用
  5 病気の原因に対する盲信
  6 薬物療法の暴走
  7 医師の家父長化
  8 医学教育の問題
  9 医学の超克は文化の変革につながる
第6章 ニュートン心理学
  1 ワトソンの行動主義心理学
  2 スキナーの「オペラント条件づけ」
  3 フロイトの精神分析
  4 ニュートン力学とフロイトの体系
  5 人間心理に対する新しい知見
第7章 袋小路の経済学
  1 経済学における断片化
  2 アダム・スミスの「見えざる手」
  3 リカードとミル
  4 マルクスのシステム論的見解
  5 政策的介入のためのケインズ・モデル
  6 脱ケインズ派の動向と成長への信仰
  7 無差別の成長がもたらすもの
  8 テクノロジー的決定論
  9 ふくれあがる巨大法人
  10 資本集約型事業のひずみ
  11 生態学的・社会的現実
  12 経済の再編成と価値観の変革
第8章 成長の暗い影
  1 ひろがる化学汚染
  2 核テクノロジーの脅威
  3 原子力廃棄物と事故
  4 食品産業と薬品産業
  5 農業に対する石油化学産業の影響
  6 農業ビジネスと世界の飢餓
  7 医療産業と変革のきざし

  
Part 4 新しい世界観
第9章 有機システム論

  1 ディープ・エコロジーと生命システムの理論
  2 ガイア=生命システムとしての地球
  3 自己組織化とオートポイエーシス
  4 ゆらぎと散逸構造
  5 小宇宙と大宇宙の共生進化
  6 認知プロセスと自己組織化
  7 神経システム、内分泌システム、免疫システム
  8 自己認識のシステム
第10章 全体性と健康
  1 シャーマニズム的な療法
  2 システム論的な健康観
  3 ストレスと病気
  4 病気の心身相関性と自己治癒の可能性
  5 健康への全包括的アプローチ
  6 健康管理のパラダイム転換
  7 エネルギー医学と同種療法
  8 ライヒのオルゴン・エネルギー
  9 さまざまなボディワーク療法
  10 栄養療法と臨床生態学
  11 瞑想療法とバイオフィードバック
  12 サイモントン夫妻による癌の心理療法
第11章 時間と空間を超える旅
  1 自己実現のための心理学
  2 ウィルバーのスペクトル心理学
  3 グロフの無意識の地図
  4 トランスパーソナル・セラピーへのスペクトル
  5 セラピストとクライアントの共鳴
  6 トランスパーソナル意識への旅
第12章 太陽の時代への道
  1 経済へのシステム・アプローチ
  2 エネルギーとエントロピー
  3 価値観と物差し
  4 ソフト・テクノロジーへの転換
  5 太陽エネルギー計画
  6 持続可能な社会に向けて





■著者紹介:フリッチョフ・カプラ Fritjof Capra

1939年、ウィーン生まれ。 66年、ウィーン大学で博士号取得。高エネルギー物理学者として、パリ大学、カリフォルニア大学、スタンフォード大学、ロンドン大学などで研究のかたわら教鞭をとる。75年刊行の『タオ自然学』が世界的ベストセラーになり、生き方じたいも転換。
エコロジカル・シンクタンク、エルムウッド研究所所長をへて、現在は、初等・中等教育の段階からエコロジー&システム論的な発想を普及するための Center for Ecoliteracy のディレクター。
邦訳書はほかに『エコロジカル・マネジメント』『ゼロ・エミッション』(以上、ダイヤモンド社)、『グリーン・ポリティックス』(青土社)、『非常の知』(工作舎)など。




■関連図書

タオ自然学  物理学の先端から東洋の世紀がはじまる F・カプラ 2200円
非常の知 ハイゼンベルク、ベイトソンらとの対話 F・カプラ 2200円
あなたの帰りがわかる犬 人間とペットを結ぶ不思議な力 R・シェルドレイク 2600円
世界を変える七つの実験 身近にひそむ大きな謎 R・シェルドレイク 2200円
生命のニューサイエンス 形態形成場と行動の進化 R・シェルドレイク 2200円
身体化された心 エナクティブ認知科学と仏教思想 F・ヴァレラ 2800円
生命潮流 来たるべきものの予感 L・ワトソン 2200円
ホロン革命 個と全体のシステム論 A・ケストラー 2800円
自己組織化する宇宙 自然・生命・社会の創発的パラダイム E・ヤンツ 3200円
精神と物質 意識と科学的世界像をめぐる考察 E・シュレーディンガー 1900円
断片と全体 ホリスティックな世界観への実験的探究 D・ボーム 1900円
地球生命圏 ガイアの原点 J・E・ラヴロック 2400円
ガイアの時代 地球生命圏の進化 J・E・ラヴロック 2330円
脱・電脳生活 電気アレルギーの脅威 M・シャリス 2200円


■書評

堀田力氏(『新ターニング・ポイント』推薦文)
「学生時代、物理学が嫌いだった。その物理学者が、これまでの物理学も、医学も、生物学も、心理学も、経済学も、みんな間違っているという。物や人や世界の動きをバラバラにしてみるから、全体の動きがわからない。だから、心の病いや、自然破壊などの病いが防げない。もっと柔らかく、全体をみる学問を築こう、そして、ネットワークを組み、政治も含め、新しい社会に変えていこう、というのだから、物理学が好きになった」

『読売新聞』(1995年5月1日)
「第1版は1982年に刊行され、デカルト的世界観にないエコロジカルな視点と生命システム論が、新しいパラダイムとして注目された。新版は日本向けの凝縮版。その後発展した自己組織化や免疫システムなどで補強した有機システム論と持続可能な社会へ向けて提言」



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