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『科学史から消された女性たち 改訂新版』 増刷決定!


『科学史から消された女性たち 改訂新版』

2022年9月に刊行したばかりの、ロンダ・シービンガー 『科学史から消された女性たち 改訂新版——アカデミー下の知と創造性』 の増刷が決定しました。

女性科学者たちが17世紀以降の科学史から抹殺された背景や性差の価値観を明らかにした名著です。いまや「ジェンダード・イノベーション」の創始者として活躍するロンダ・シービンガーの記念すべき第1作。1992年刊行の旧版を大幅に見直した改訂新版は、今の時代の必読書。

発売直前の2022年9月に、ロンダ・シービンガーを基調講演に迎えたシンポジウム
(お茶の水女子大学 国際カンファレンス 「ジェンダード・イノベーションが拓く未来:性差分析による新しい価値の創造」と 公益財団法人 東海ジェンダー研究所 25周年記念 国際講演会 2022 「ジェンダード・イノベーション」) が相次いで開催され、大きな反響を呼んでいました。
そこに、10月29日の毎日新聞で内田麻理香さんに書評していただき、注文が加速し、ついに増刷を決定! ちょうど本日(11月29日)品切れになりましたが、第2刷は12月12日頃にできる予定です。しばしお待ちください。



■著者紹介: ロンダ・シービンガー Londa Schiebinger

スタンフォード大学歴史学科ジョン・L・ハインズ科学史教授。「科学、保健・医学、工学、環境学分野におけるジェンダード・イノベーション」プロジェクト創始者。科学史および科学にジェンダーの視点からメスを入れ、「普遍的かつ公正な科学」幻想を打ち砕いてきた。「科学と技術におけるジェンダー」研究の国際的な先駆者であり、国連、欧州議会、多くの研究助成機関で講演活動を展開。ハーバード大学で博士号を取得(1984)。アメリカ芸術科学アカデミー会員。アレキサンダー・フンボルト財団からフンボルト賞を受賞(1999-2000: 歴史部門で全米初の女性)、米国のグッゲンハイム・フェローシップなど栄誉ある賞を多数受賞。スペインのバレンシア大学(2018)、スウェーデンのルンド大学(2017)、ベルギーのブリュッセル自由大学(2013)から名誉博士号を授与されている。
 本書に次ぐ2作目『女性を弄ぶ博物学』で国際科学社会学会・第2回フレック賞受賞。3作目『ジェンダーは科学を変える1?』では理工系分野の女性研究者をいかに育成するかを論じ、4作目『植物と帝国』では文化的・社会的文脈で抹殺されてきた知識の研究(アグノトロジー)の重要性を説き、三つの国際的な賞を受賞。ロバート・プロクター氏との共著で Agnotology(Stanford University Press, 2008)がある。Women and Gender in Science and Technology (Routledge: London New York, 2014)の4巻本を編纂し、過去およそ40年間にわたる「女性および科学・技術におけるジェンダー」に関連する論文や著作のアンソロジーを出版。
 近年では性差に配慮した革新「ジェンダード・イノベーションズ」を提唱し、欧州委員会や米国衛生研究所と協力してプロジェクトを展開。日本でも2022年4月、お茶の水女子大学に「ジェンダード・イノベーション研究所」が設立された。ジェンダード・イノベーション関連に、Gendered Innovations: How Gender Analysis Contributes to Research(European Commission, 2013)、Gendered Innovations 2: How Inclusive Analysis Contributes to Research and Innovation (European Commission, 2020)がある。

■訳者紹介:小川眞里子 (おがわ・まりこ)

三重大学名誉教授(科学史・科学論分野)。東海ジェンダー研究所理事。博士[学術](東京大学 2012)。著書『フェミニズムと科学/技術』(岩波書店 2001)、『甦るダーウィン』(岩波書店 2003)、『病原菌と国家』(名古屋大学出版会 2016)。共編著『科学史の世界』(丸善 1991)、『女性研究者支援の国際比較』(明石書店 2021)。共著『環境危機と現代文明』(朝倉書店 1996, 新装版2008)、『科学技術と社会』(東京大学出版会 2020)、『科学と倫理』(中央公論新社 2021)など。共訳書 シービンガーの主要著作4冊はじめ、シェパード『ヴェールをとる科学』(誠信書房 1997)、ボウラー『環境科学の歴史』I・II(朝倉書店 2002)など。『病原菌と国家』で日本科学史学会学術賞。澤柳政太郎記念東北大学男女共同参画賞(2017)、令和4年度男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰など。

:藤岡伸子 (ふじおか・のぶこ)
名古屋工業大学名誉教授(比較文化・地域研究)。春日井市男女共同参画審議会会長、東海ジェンダー研究所評議員。共著に『アメリカの文化』(弘文堂 1992)、『あめりか いきものがたり』(臨川書店 2013)、訳書にロペス『水と砂のうた』(東京書籍 1994)、共訳書に『西洋思想大事典』(平凡社 1990)、『自伝でたどるアメリカン・ドリーム』(河合出版 1992)、『生態系サービスという挑戦』(名古屋大学出版会 2010)など。

:家田貴子 (いえだ・たかこ)
本書翻訳時は東京大学大学院理学研究科科学史・科学基礎論博士課程在学中。中島貴子として共編著に『科学の不定性と社会──現代の科学リテラシー』(信山社 2017)、著書に『科学技術のリスク評価──森永ヒ素粉乳中毒事件を中心に』(編集工房 球 2021)など。






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