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女王の肖像[詳細]

目次著者紹介関連図書関連情報書評



さらば帝国、植民地 されど切手は後まで残る。

英国ヴィクトリア女王の肖像から始まった郵便切手は、
国家の名刺であるとともに、人を堕落させ、
広大な幻をも現出させる蠱惑的な紙片だった。
9歳から切手蒐集を続けてきた著者が、
かつての切手少年少女たちに向けて、満を持して世に送り出す
「ノスタルジアと蒐集の情熱」をめぐるエッセイ集。




■目次

◎「ペニー・ブラック」を買う
◎巨大な巻紙
◎外国切手との出会い
◎発行日に駆け付ける
◎文革切手は赤一色
◎なぜソ連がなつかしいのか
◎凹版はどこへ行く
◎目打と無目打
◎エラー切手の愚かしさ
◎加刷の政治学
◎女王の肖像
◎国家の名刺
◎植民地の風景
◎自分で切手を造る
◎切手商とのつきあい方
◎人を堕落させる小さな紙片
◎切手蒐集の終焉



■著者紹介:四方田犬彦(よもたいぬひこ)

大阪生まれ。映画史・比較文学研究者、詩人、批評家、エッセイスト。『月島物語』(集英社、1992)で斎藤緑雨賞、『映画史への招待』(岩波書店、1998)でサントリー学芸賞、『モロッコ流謫』(新潮社、2000)で伊藤整文学賞、『日本のマラーノ文学』『翻訳と雑神』(人文書院、2007)で桑原武夫学芸賞、『ルイス・ブニュエル』(作品社、2013)で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。




■関連図書(表示価格は税別)

  • 『親鸞への接近』 定価 本体3000円+税
  • 『書物の灰燼に抗して』 定価 本体2600円+税
  • 『歳月の鉛』 定価 本体2400円+税
  • 『月島物語ふたたび』 定価 本体2500円+税



  • ■関連情報

    2019.12.15 NHK「ラジオ深夜便」永江朗さん紹介
    午後11時台の永江朗さんによる新刊紹介コーナー「やっぱり本が好き。」にて紹介。「ペニー・ブラックを買う」の一節をアナウンサーが朗読するなど、10分以上にわたり丁寧に紹介いただきました。ラジオ深夜便 公式サイト|「ないとガイド・やっぱり本が好き。」書評家 永江朗さんが紹介した本 に掲載。
    聴き逃した方は、下記番組公式サイトに翌12月16日(月)から1週間、「聴き逃し」マークが表示され、音声を聞くことができます。 https://www.nhk.or.jp/shinyabin/program/2a7.html

    2019.10.28 四方田犬彦×木村紅美トークイベント(下北沢・本屋B&B)




    参加特典のゴーキ・アイランド建国66周年記念切手セット:豊穣の女神アルテミス版


    特典切手シート(アルテミス版)を貼った『女王の肖像』見返し


    特典切手シート(リヨンのケーキ版)を貼った『女王の肖像』見返し

    *工作舎HPから直接注文の方には上の「架空切手版」を手配いたします。 オーダーフォームの通信欄に、「アルテミス版」か「ケーキ版」のどちらかを入力ください。
    *さらに、すでに『女王の肖像』を購入された方で「架空切手版」仕様をご希望の方は、お手元のご本をお送りいただければ、仕立てた上、ご返送いたします。その場合、まことに恐縮ですが、往復送料をご負担ください。詳しくはメールでinfo@kousakusha.co.jpあてにお問い合わせください。



    ■書評

    福島県富岡町図書館の情報紙「メガホン」図書館員おすすめ本
    世界で唯一国名の表記がないイギリスの切手。1840年の発祥から現在まで、そこには女王の肖像が描かれています。小さな1枚に大きな歴史の流れが詰まっているのです。…

    共同通信配信 地方紙各紙に木村紅美さん書評
    複雑さに触れ世界を旅
    映画・文学・漫画論などを自在に発表し、語学堪能で翻訳も手がけ、国内外を飛び回る。モロッコにパレスチナ、セルビア、台湾についての紀行文、ぐっと飛んで親鸞について、また料理に関する随筆にも名著がある著者の行動力と好奇心の源を、秘かに謎に感じていた愛読者は多いのではないか。
    本書をひらけば、全ての原点は、切手、であることがよくわかる。9歳に始まり現在までつづいているという蒐集歴をもとに愉しげに書かれた一章ごと、奥深い小宇宙に引きずり込まれる。…(中略)
    …時にタイムスリップし、一枚ごとの背景の複雑さに触れ、世界中を旅する気分を味わえる一冊だ。

    *この書評は、
    12/28 富山新聞、北國新聞
    1/5  岩手日報、京都新聞、日本海新聞、南日本新聞、熊本日日新聞、琉球新報
    1/11 沖縄タイムス、福島民報
    1/12 河北新報、山梨日日新聞、信濃毎日新聞、神戸新聞、愛媛新聞
        新潟日報、山形新聞、下野新聞、山陽新聞、山陰中央新報、徳島新聞
    1/19 四國新聞、中國新聞、長崎新聞
    1/26 神奈川新聞、岐阜新聞
    計26紙に掲載されました。

    郵趣 2020年1月号
    「書名の通り『切手蒐集はいかに自分にとって愉しいか』が伸び伸びと語られたエッセイである。はじまりは、曾祖母が小学生だった著者に大事そうに譲り渡した2つの宝物。“真綿に包まれた玉虫の羽”と1枚の古ぼけた切手(皇太子殿下帰朝記念・1921)である。…」

    2019.12.15 東京新聞/中日新聞短評
    「切手を集める情熱がどこから生まれるのか。9歳から蒐集を始め、12冊で日本郵趣協会員になった著者が、満を持して刊行したエッセー集。…」

    山本善行さん 日本の古本屋メールマガジン記事「古本屋稼業十年目の呟き」
    「四方田犬彦さんの『女王の肖像』という本が出たが、副題が「切手蒐集の秘かな愉しみ」、帯には「実はまだ切手を集めているのです。」とある。私は、すぐに注文して店に並べた。人が集め続けるという心理に興味があるし、お客さんに読んでもらうことで何か感じてもらえると思ったのだ。古本屋にぴったりの本だと思った。」

    林哲夫さんブログ「daily-sumus2」
    「切手コレクションの世界も広く深い、実感させられる一冊。角背上製、濃い赤の表紙に貼り題簽という造本が「女王の肖像」と呼応しているように思える。」




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