地球を駆ける[詳細]
ハンセン病は現在進行形の病気である。 その制圧のために闘った男の半生の記録。
1967年の9月、父、笹川良一に同行して
ソウル郊外、安養にある「韓国ハンセン病研究院」竣工式に参加した私は、
変形した容姿の患者を抱きしめ、傷口を素手で触る父の姿に深い衝撃を受けた。
私は近寄ることもできず、遠くから表情を見るだけだった。
ほとんどの患者は、父のスキンシップを受けても、
まったく表情が変わらない。その体験が、
私のハンセン病の制圧と差別撤廃活動の原点となった。
■目次 |
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旅の途中で
1章 もう一つの現場から—国連決議とその実践に向けて
2章 不可能への挑戦 2001〜2005
3章 立ち上がる当事者たち 2006〜2009
4章 社会の側の病い 2010〜2012
5章 停滞を超えて 2013〜2015
6章 未来を拓く希望と勇気 2016〜2020
最後の一マイルへ
[資料]
・2006年から2020年までの「グローバル・アピール」概要
・1980年以降の笹川陽平と各国の主な要人との会談記録
・主要訪問国インデックス
・笹川陽平の褒賞と著作
■関連図書(表示価格は税別) |
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■書評 |
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●2021年10月8日 週刊読書人
笹川陽平×髙山文彦対談「生きること、死ぬこと、声を上げること」
笹川 …本書を上梓したのは、二つの理由があります。一つは、私が行ってきた活動を、ハンセン病以外の国際問題の解決にも役立たせてほしいという想い。もう一つは30年後、50年後を生きる後世の人々に、こういう時代もあったのだと伝えたいという想いです。これから世の中がどうなっていくか分かりませんが、人間が犯してしまった過ちから目を逸らしてはいけません。今という時代を記憶に残すためにも、できるだけたくさんの写真を挿入させていただきました。
髙山 笹川さんは40年以上、ハンセン病の制圧活動を続けられています。その集大成のような本だと感じました。…
[全文は 週刊読書人 サイトへ]
●2021年8月15日 産経新聞 著者インタビュー
苦難の歴史 未制圧は1国に。
…本書は、2001年にWHO(世界保健機関)ハンセン病制圧大使就任後の歩みを中心にまとめた回顧録。900ページ超にわたり、20年で200回以上、約70カ国を巡った情熱と思いを伝えている。…
「年月をかけた泥臭いやり方ですが、問題点と答えは現場にある。冷暖房の効いた部屋にいる口舌の徒に問題提起もしたつもり。ここから何かをくみ取って自分流の生き方を模索してくれたらうれしい」
そんなハンセン病との闘いで得た教訓はコロナ禍で「いまこそ活かされなければならない」ともつづる。
[全文は 産経新聞 サイトへ]